AMDが近日中に投入するとみられる「Ryzen AI 400」シリーズのエントリーモデル「Ryzen AI 5 435G」のベンチマークスコアが、非公式の情報源からリークされました。公称ブーストクロックを大きく下回る状態での計測にもかかわらず、前世代のRyzen 5 8600Gと同等のシングルコア性能を示しており、旧世代を上回るスコアを記録した点は注目に値します。正式リリース時の実力については、Wccftechが続報を伝えています。
非公式リークの信頼性をどう読むか
今回のリーク情報は、ハードウェア関連の情報を発信することで知られる非公式の情報源「Olrak29_」が公開したもので、Wccftechがこれを引用するかたちで報じています。テスト環境は中国メーカーJginyueのB850MマザーボードにDDR5メモリ32GBを組み合わせた構成ですが、メモリの動作速度については確認されていません。また、Geekbench 6が報告したピーククロックは4,094MHzにとどまっており、公称ブーストクロックの最大4.5GHzを大きく下回っている点には注意が必要です。クロックが正常に発揮されていない状態での計測である可能性があり、最終製品の仕様は変わる可能性があります。
Ryzen AI 5 435Gのスペック——50 TOPS NPUと65W TDPを搭載
リーク情報によると、Ryzen AI 5 435Gは6コア12スレッド構成で、ベースクロック2GHz・ブーストクロック最大4.5GHz、総キャッシュ14MBを備えています。GPU部分はRDNA 3.5アーキテクチャのコンピュートユニット4基を持つ「Radeon 840M」で、NPUは50 AI TOPSに対応しています。TDPは65Wが標準ですが、35Wへの低消費電力構成も可能とされています。
上位のStrix/Gorgon世代が最大12コア・最大16基のRDNA 3.5 GPUコアを搭載するのに対し、Ryzen AI 400シリーズは最大8コア・最大8基のGPUコアにとどまります。ただし、CPUアーキテクチャはZen 5、GPUアーキテクチャはRDNA 3.5と、旧世代のRyzen 8000G(Zen 4 + RDNA 3)から世代が進んでいます。
ベンチマーク結果——クロック未達でも8600Gのシングルに肉薄
今回のリークでは、Geekbench 6によるピーククロックの記録とPassMark CPU Benchmarkによるスコアデータの両方が確認されています。PassMark CPU Benchmarkの計測では、Ryzen AI 5 435GはシングルコアスコアでRyzen 5 8600Gを上回る結果を示しています。
| モデル | シングルコア | マルチコア |
|---|---|---|
| Ryzen 5 9600(Zen 5) | 3,194点 | 14,244点 |
| Ryzen AI 5 435G(今回のリーク) | 2,620点 | 10,718点 |
| Ryzen 5 8600G(Zen 4) | 2,493点 | 10,857点 |
| Ryzen AI 5 340 | 2,339点 | 9,179点 |
シングルコアでは8600Gの2,493点に対して2,620点と上回る一方、マルチコアでは8600Gの10,857点をわずかに下回っています。Wccftechは、クロックが正常に動作していないことが低スコアの原因であると指摘しており、最終的な性能はRyzen 5 8600Gを上回り、標準的な6コアZen 5 CPUであるRyzen 5 9600(マルチ14,244点)に近づく可能性があると予想しています。ただし、これはWccftechによる見解であり、公式に確認された情報ではありません。
なお、比較表にRyzen 5 9600(デスクトップ向け非APU)が含まれているのは、同じ6コアZen 5構成として性能の上限目安を把握するための参考値として掲載されているものです。
自作PC勢には朗報なし?DIY販売は未確定
Ryzen AI 400シリーズはまず完成品メーカー(OEM)向けに販売される見通しです。DIY向けの単体販売については可能性があるとされていますが、現時点では確認されていません。自作PC市場への展開を期待しているユーザーにとっては、当面OEM搭載製品を通じてしか入手できない状況が続く可能性があります。
現時点では、クロック未達という不完全な条件下でのリーク情報であることを踏まえ、性能評価は暫定的なものとして受け止めるのが妥当です。正式発表・発売後のレビューで実力が明らかになることが期待されます。
Q&A
Q. Ryzen AI 5 435GはRyzen 5 8600Gより性能が高いのですか? 今回のリーク段階では、クロックが公称値を大きく下回る4,094MHzで動作した状態での計測です。その条件でシングルコアは8600Gを上回りましたが、マルチコアはわずかに下回っています。Wccftechは正常動作時には8600Gを上回る可能性があると予想していますが、公式に確認された情報ではありません。
Q. Ryzen AI 5 435Gはいつ発売されますか? Wccftechの報道では「近日中」とされていますが、具体的な発売日は現時点で公表されていません。また、まずOEM向けに先行販売される見通しで、DIY向けの単体販売については確認されていません。
