500FPSを超えるAMD Ryzen X3DのCPU性能が、Apex Legendsの物理演算を文字通り壊していた——。AMD Ryzen X3DシリーズのシングルスレッドパフォーマンスがApex Legendsの物理演算を破壊するバグが確認され、開発元のRespawnがパッチ「Overclocked」で修正を行いました。「速すぎるCPU」がゲームの動作を壊すという、異例の事態です。

何が起きていたのか——高速CPUが物理演算を狂わせる

現代のゲームにおける物理演算は、主にCPUが処理を担っています。GPUを活用していたNVIDIA PhysXの時代は終わり、今はCPUのシングルスレッド性能が物理計算の速度を左右します。

Wccftechは、フレームレートと物理演算の関係について次のように報じています。フレームレートとフレームタイムは一定である必要があるが、フレームレートが高くなりすぎるとゲーム内の物理挙動に影響が出る可能性がある、と。AMD Ryzen X3Dシリーズはそのシングルスレッド性能の高さから500FPS超の環境を生み出すことができ、これがApex Legendsで物理演算の異常を引き起こしていたとされています。

Respawnはパッチノートの中でAMD Ryzen X3D CPUを名指しし、シングルスレッド性能が高いCPUで顕著なスタッターの原因となっていた物理計算処理を改善したと説明しています。

パッチ「Overclocked」で修正された内容

パッチ「Overclocked」では、物理演算の修正に加えて、PC向けグラフィクス関連の複数の改善が盛り込まれています。

  • 物理演算のCPU処理を改善:シングルスレッド性能が高いCPU(AMD Ryzen X3D等)で発生していたスタッターの原因を解消
  • フレームレート急落の修正:240FPS以上の高フレームレート環境で発生することがあったフレームレートの瞬間的な低下を修正
  • オクルージョンデータ構造の改善:前回のミッドシーズンアップデートでOlympusマップに適用されていた改善を全マップに拡大し、CPUパフォーマンスをわずかに向上
  • アンビエントオクルージョン(環境光の遮蔽計算)の刷新:新たなスペキュラーオクルージョン(鏡面反射成分の遮蔽)を導入し、クリーンな見た目に。PC向け4KのHighまたはUltra設定を除く多くの環境で、従来より高速に動作
  • キューブマップリフレクション(環境反射マップ)の精度向上:特に屋外の影が落ちるエリアでの反射強度の精度を改善
  • スカイアンビエントライティング(空からの環境光)の精度向上
  • マップ内多数のプロップのベイクドライティング(事前計算済み照明)精度を改善

パッチ適用済み——X3DユーザーはいますぐアップデートでOK

今回の修正により、AMD Ryzen X3Dシリーズを搭載したPCでApex Legendsをプレイしている場合、500FPS超の環境でも物理演算が正常に動作するようになります。パッチはすでに配信済みのため、ゲームをアップデートすれば恩恵を受けられます。

なお、パッチノートでは「シングルスレッド性能が高いCPU全般」が対象として言及されており、AMD Ryzen X3Dはその具体例として名指しされています。同等のシングルスレッド性能を持つ他のCPUでも、同様のスタッターが発生していた可能性があります。

パッチ適用済みの最新バージョンでプレイしていれば、AMD Ryzen X3D環境で再現していたスタッターは解消されます。


Q&A

Q. AMD Ryzen X3D以外のCPUでも同じ問題は起きていましたか? パッチノートでは「シングルスレッド性能が高いCPU」全般が対象として言及されており、AMD Ryzen X3Dが具体例として名指しされています。同等の性能を持つ他のCPUでも同様の症状が発生していた可能性があります。

Q. このバグはいつから存在していたのですか? ソース記事には発生時期の具体的な記載がありません。パッチ「Overclocked」(2026年5月5日配信)で修正されたことが確認されています。

Q. パッチ適用後、フレームレートに影響はありますか? パッチノートによると、物理演算のCPU処理改善はスタッターの解消を目的としており、フレームレートの低下については言及されていません。アンビエントオクルージョンの刷新については、4KのHigh/Ultra設定を除く多くの環境で従来より高速になるとされています。

出典