Windowsとの互換性を目指すオープンソースOS「ReactOS」が、長年の障壁だったインストール問題をついに解消しようとしています。WindowsともmacOSともLinuxとも異なる独自のOSである「ReactOS」は、一部のストレージドライブでは動作しないという問題を抱えていましたが、Phoronixが伝えた情報によると、2年以上にわたって開発が続けられてきた変更がついに形になりつつあり、バージョン0.4.16での提供が見込まれています。古いPCでWindowsアプリを動かしたいユーザーが、環境を選ばずReactOSを試せるようになる——そんな変化に向けた重要な一歩です。

苦手だったストレージ問題を解消——対応ハードが一気に拡大

今回の最大の技術的変更は、新しいATAストレージドライバーの追加です。これにより、ReactOSはSATA・PATA・ATAPI・AHCIといったストレージデバイス上で起動できるようになります。

これまでReactOSは一部のストレージドライブでは動作しないという問題を抱えており、試してみたくても環境が合わずに断念したユーザーも少なくありませんでした。このドライバーは2年以上の開発期間を経て実装される見込みで、対応ハードウェアの幅が大きく広がることになります。手元にある古いPCやサブマシンで試したかったが諦めていたユーザーにとって、改めてチャレンジできる環境が整いつつあります。

LiveCDとテキストインストーラーが1つのISOに統合

もう一つの重要な変更が、ISOイメージの統合です。

これまでReactOSには2種類のISOが存在していました。

  • LiveCD:OSを実際にインストールせずに試せる「デモ用」
  • テキストベースのインストーラー:実際にシステムへインストールするためのもの

どちらをダウンロードすべきか分からず戸惑ったユーザーも多かったはずです。新しいアップデートではこの2つが1つのISOに統合され、ダウンロードするファイルは1つだけで済むようになります。デモとインストールの両方が1ファイルで完結するため、初めてReactOSを試す人にとっての入り口が大きく下がります。

GUIインストーラーの基盤も追加予定——ただし今回のパッチには未収録

さらに将来を見据えた変更として、GUIインストーラーの基盤となるコードの追加も予定されています。ただし、このGUIインストーラーは今回の最新パッチには含まれておらず、将来のアップデートで実現することが期待されている段階です。テキストベースのインストーラーに慣れていないユーザーにとっては朗報になり得る変更ですが、実現の時期は未定であるため続報を待つ必要があります。


Q&A

Q. 今使っているWindowsアプリはReactOSで動くの? ReactOSはWindowsのAPIとの互換性を目指して開発されており、Windowsアプリケーションの動作を目標としています。ただし、現時点ではまだ開発途上のプロジェクトであり、すべてのWindowsアプリが動作することを保証するものではありません。詳細な動作確認状況については公式ウェブサイトを参照してください。

Q. 仮想マシンで試すことはできますか? ReactOSはLiveCDとして動作確認できる形式を提供しており、実機へのインストール前にデモ環境で試すことが可能です。今回の統合により、1つのISOファイルでデモとインストールの両方が行えるようになるため、まず試してみたいユーザーにとってもダウンロードの手間が軽減されます。詳細は公式ウェブサイトで確認できます。


出典