599ドルから始まるAppleの廉価Mac「MacBook Neo」が好調な需要を見せる一方、A18 Proチップの供給不足が深刻化しています。Culpiumの報告をWccftechが引用するかたちで伝えたところによると、Appleはサプライヤーに対して2026年の生産目標を当初の500〜600万台から1,000万台へ引き上げるよう要請したとされています。ただし、この動きにはコスト増加というリスクが伴う可能性があります。
納期が最大4週間——需要急増が供給を圧迫
MacBook Neoの人気は想定を大きく上回っており、現在の納期は最大4週間に達していると報じられています。Appleはこの遅延を解消すべく、生産能力の拡大に動いているとされています。
当初の生産目標は500〜600万台でしたが、Culpiumの報告によれば、これを1,000万台へ倍増させる方向でサプライヤーへの要請が行われたとのことです。廉価Macとして市場に投入されたMacBook Neoが、これほどの規模の生産計画を必要とするほどの需要を生み出していることは注目に値します。
TSMCのN3Eノードが満杯——Appleは割増料金を支払う可能性
生産拡大の最大の障壁となっているのが、MacBook Neoに搭載されているA18 Proチップの調達問題です。
MacBook Neo搭載のA18 ProはTSMCの3nm N3Eノードで製造されていますが、同ノードは現在AIカスタマー向けの需要でほぼ満杯の状態にあり、Appleへの割り当てがほとんど残っていないと報じられています。
さらに技術的な事情も絡んでいます。MacBook Neo向けのA18 Proは「ビンニング品」、つまり製造工程で生じた軽微な欠陥(この場合はGPUコアが6コアではなく5コアになっている点)を持つチップを転用したものです。CPU性能はiPhone 16 Pro・iPhone 16 Pro Maxに搭載される非ビンニング品と同等ですが、GPU性能はわずかに劣ります。
今回、供給不足に対応するためAppleは非ビンニング品のA18 Proを新たに製造するようTSMCに要請する必要があり、これは欠陥品を転用するよりも明らかにコストが高くなります。Wccftechによれば、TSMCは「ホットロット生産」であれば割増料金を免除できる場合もあるとされていますが、非ビンニング品の製造はそれ以上のコスト増を伴うとされています。
値上げの可能性と新色追加——ユーザーへの影響は
A18 Proの調達コスト増に加え、次回のDRAM調達価格も上昇する見込みとされており、MacBook NeoのBOM(部品コスト合計)が押し上げられる可能性があるとCulpiumの報告は指摘しています。
これがそのまま販売価格に転嫁された場合、現在599ドルからとなっている価格が引き上げられる可能性があります。Wccftechは、Appleがこの価格上昇の影響を和らげる手段として新色の追加を検討している可能性があると報じています。
一方で、現時点ではAmazonなどのオンラインリテーラーに在庫が残っており、256GBモデルが589.99ドル、512GBモデルが689.99ドルで購入できる状況です。値上げが実施される前に購入を検討しているなら、現行価格での在庫状況を確認しておくことが選択肢のひとつになりそうです。
なお、Wccftechはこの情報に対して「Plausible(もっともらしい)」と評価しており、情報源の信頼性は高いものの、裏付けとなる複数の独立した情報源がまだ少ない段階の報告であることは念頭に置いておく必要があります。
Q&A
Q. MacBook NeoのA18 ProはiPhone 16 Proのものと同じですか? CPU性能はiPhone 16 Pro・iPhone 16 Pro Maxに搭載される非ビンニング品と同等ですが、MacBook Neo搭載版はGPUコアが5コアであるのに対し、iPhone 16 Pro版は6コアです。そのためGPU性能にはわずかな差があります。
Q. MacBook Neoの値上げはいつ頃になりますか? 現時点では値上げの時期は確認されていません。Culpiumの報告によれば、DRAMおよびA18 Proのコスト増がBOMを押し上げる可能性があるとされていますが、具体的な価格改定の時期や幅は明らかになっていません。続報を待つ必要があります。
