279.99ドルという価格帯でCQDIMM対応・5基のM.2・Wi-Fi 7・5 GbEを搭載したGigabyte「Z890 Aorus Elite Duo X」を、Tom's Hardwareがレビューしました。DDR5-10,266+ MT/s(OC)対応、2枚構成で256GBを実現できるCQDIMMサポートという特徴を持つ、Arrow Lake Refresh対応の中堅マザーボードです。
CQDIMMとは何か——2枚で256GBを実現する新メモリ規格
本製品最大の特徴は、CQDIMM対応です。CQDIMMとは「Clocked Quad-rank Unbuffered Dual In-line Memory Module」の略で、高密度・高速を両立した新しいメモリモジュール規格です。
通常、256GBのRAMを搭載しようとすると4枚のDIMMが必要になりますが、CQDIMMを使えば2枚(2×128GB)で同容量を実現できます。さらに速度面でも、4枚挿しではメモリコントローラーへの負荷が高くなり高速動作が難しいのに対し、2枚構成のCQDIMMではDDR5-8000 MT/sまでの動作が可能とされています。
ただし、Tom's HardwareはGigabyteがCQDIMMを公式にはサポートしていない点を明記しています。あくまでCore Ultra CPUとの組み合わせで動作を許容している、という位置づけです。大容量RAMを必要とするワークステーション用途や、将来的なメモリ拡張を見据えるユーザーには選択肢になり得ますが、公式サポート外である点は購入前に把握しておく必要があります。
通常のDDR5としては、オーバークロック時に最大10,266+ MT/sに対応します。
スペックと設計——5基のM.2、Wi-Fi 7、19フェーズVRM
Z890 Aorus Elite Duo XはLGA 1851ソケット・Z890チップセット採用のATXフォームファクターで、Intel Core Ultra 270K Plus・250K Plus(Arrow Lake Refresh)および従来のCore Ultra 200Sシリーズに対応します。
ストレージ面では5基のM.2スロットを搭載。ソース記事の仕様表には1基がPCIe 5.0 x4(128 Gbps)対応、3基がPCIe 4.0 x4(64 Gbps)対応として記載されています。M.2スロット・SATAポートともにRAID 0/1/5/10をサポートし、SATA3ポートも4基備えます。
ネットワークはIntel Wi-Fi 7と5 GbEを搭載します。バックパネルのUSBポートは合計10基で、USB4 40 Gbps Type-C×1、USB 3.2 Gen 2(10 Gbps)×2、USB 3.2 Gen 1(5 Gbps)×3、USB 2.0(480 Mbps)×4という構成です。バックパネルのType-Cポートが1基のみという点も、構成上の制約として挙げられています。
電源回路は19フェーズ構成(Vcore用に60A DrMOS MOSFETs×16)を採用し、現行ハイエンドCPUのオーバークロックにも対応できる設計です。
ファンヘッダーは合計6基(4ピン、PWM・DC対応)を備えます。RGBヘッダーは3ピンARGB×3と4ピンRGB×1を備えます。
オーディオコーデックについて、Tom's Hardwareはこれを「前世代のフラッグシップクラス」と評しています。
Ultra Turbo Modeとオーバークロック性能——Level 3は不安定
Gigabyte独自の「Ultra Turbo Mode」は、Core Ultra 200S(Kシリーズ)CPUに対してワンクリックで最大40%の性能向上をうたっています(特定の状況下での数値)。
Tom's Hardwareのテストでは、200S Boostプロファイルでは目立った効果は確認できなかったものの、Level 2設定では有意な性能向上が見られたと報告されています。一方、「Level 3 Extreme」設定では、使用したCPUが安定動作せず、Cinebench R26をはじめとする高負荷マルチスレッドテストを完走できなかったとのことです。オーバークロックはBIOSまたは「AI Snatch」ソフトウェアからも実行可能です。
購入を検討するなら
279.99ドルという価格帯で、CQDIMM対応・5基のM.2・Wi-Fi 7・5 GbEを揃えた構成はコストパフォーマンスに優れると言えます。Tom's Hardwareは「Arrow Lake Refreshベースのビルドとして賢い選択肢」と評価しています。
購入を検討するなら、CQDIMMの公式サポート外という点と、Level 3 Extremeオーバークロックの安定性に課題が残る点を踏まえた上で判断するのが妥当です。大容量メモリが不要で通常のDDR5運用を想定するユーザーにとっては、同価格帯の競合製品との比較も重要になります。
Q&A
Q. CQDIMMは公式サポートされていますか? GigabyteはCQDIMMを公式にはサポートしていません。ただし、Core Ultra CPUとの組み合わせで動作することは許容されています。公式サポート外の機能として利用する形になります。
Q. 通常のDDR5メモリはどのくらいの速度まで対応していますか? オーバークロック時に最大DDR5-10,266+ MT/sに対応します。
Q. Arrow Lake Refresh(Core Ultra 270K Plus・250K Plus)以外のCPUは使えますか? はい。従来のCore Ultra 200Sシリーズも対応しています。LGA 1851ソケット対応のIntel Core Ultraプロセッサーであれば使用可能です。
