「ARPGにこれほどの感情的な繊細さは期待していなかった」——Windows Centralのレビュアーが「Diablo 4: Lord of Hatred」で真っ先に打ちのめされたのは、戦闘システムでも装備沼でもなく、家族と複雑な人間関係を描いたストーリーだった。発売前に抱いていた2つの懸念——大規模システム改修の積み重ねによる「オーバーホール疲れ」と、マーケティングによるネタバレ過多——は実際のプレイによって完全に覆された、と同レビューは報告している。

「オーバーホール疲れ」はなぜ杞憂に終わったか

拡張前のシーズン11の時点で、すでにゲームは十分すぎるほどの仕上がりにあった。そこへさらに大規模な改修を重ねることへの不安は、決して過剰ではなかった。ところが蓋を開けてみれば、今回の改修こそがゲームを「最終的かつ最も充実した形」に仕上げたとレビュアーは評している。積み重ねが崩壊ではなく完成を生んだ——その逆転こそが今作最初の驚きだ。

ストーリー面でも同じ逆転が起きている。事前マーケティングをネタバレ的すぎると感じていたレビュアーだったが、「キャンペーンのベストな驚きはマーケティングに一切触れておらず、完全に手つかずのまま残されていた」と明言している。描かれるテーマは家族と複雑な人間関係。ARPGに期待しない種類の深みがそこにあり、その落差が体験全体の密度を引き上げている。キャラクターのLorathを演じるRalph Ineson氏の圧倒的な存在感が、ストーリー全体の重みをさらに底上げしている点もレビュアーは強調している。

前作拡張「Vessel of Hatred」については、エンディングが曖昧で気づかずに見逃すほどだったと率直に認めつつも、今回のDLCへの橋渡しとしては確かに機能していると述べている。間を置かずに通しでプレイすると物語の流れが鮮明になり、「全体の重みが増す」と報告されている。前作を積んでいるなら、今が通しプレイの好機だ。

溶岩地帯から古代ギリシャ海岸まで——スコヴォス地域が「沼疲れ」を一掃した理由

新マップのスコヴォス地域は「訪れるのを長く待った価値があった」と高く評価されている。溶岩地帯から古代ギリシャ風の海岸景観まで多様なビジュアルが広がり、前作拡張ナハンツが引き起こした「沼疲れ」とは「完全に180度異なる」とレビュアーは言い切っている。視覚的な単調さがなく、エリアを移動するたびにロケーションの顔が変わる設計は、長時間プレイでの疲弊を防ぐ効果がある。

新都市ハブ「テミス」は、レビュアーが特にお気に入りに挙げたエリアだ。ザ・ピットやアンダーシティへのアクセスが集約されているだけでなく、後述するウォープランとホラドリックキューブへの導線も一箇所に集中している。「他の都市へ行く理由がない」とレビュアーが言い切るほどの利便性は、エンドゲームの周回効率に直結する実用的な評価だ。

ホラドリックキューブとウォープラン——エンドゲームを変えた2つの新機能

装備システムで今作の核となるのがホラドリックキューブタリスマン・セットチャームだ。ホラドリックキューブはレビュアーから肯定的な評価を得ており、シリーズファンには懐かしい名前とともに新たな役割を果たしている。

ウォープランはエンドゲームの周回速度を大幅に高める点が特に高く評価されている。ソロプレイ時の快適さは際立っており、レビュアーはその機能を明確に気に入ったと述べている。ただし現状には課題もある。グループプレイへの対応には改善の余地があるとレビュアーは明言しており、フレンドとのマルチプレイを主軸に据えたいユーザーは今後のアップデートを確認してから判断するのが賢明だ。ソロ中心のプレイヤーにとっては、現時点で不満材料にはならない。

「D4 Bad」という先入観の外側にあるもの

「D4 Bad」というネガティブな先入観から抜け出せないプレイヤー層が一定数存在し、ゲームの進化を享受できていないとWindows Centralは指摘している。これに対するレビュアーのスタンスは冷静かつ公平だ。「残念ではあるが、理解もできる。優れたゲームが山ほどあり、旧作に戻りたくない人もいる」——批判の存在を否定せず、しかし現在地を正直に伝えている。そのバランス感覚こそが、このレビュー全体の信頼性を担保している。

シーズン11時点でも十分だったゲームが、さらに上を更新した。その事実を伝えることが、このレビューの核心だ。


Q&A

Q. 前作拡張「Vessel of Hatred」を未プレイでも楽しめますか? Vessel of HatredはベースゲームとLord of Hatredをつなぐ橋渡しとして機能しており、通しでプレイすると物語の流れがより明確になるとレビュアーは述べている。間を置かずに続けてプレイした場合に「全体の重みが増す」とされており、未プレイなら先に前作を済ませておくことで、今作の物語体験の密度が上がる。

Q. グループプレイには向いていますか? ウォープランはソロプレイでは優秀に機能する一方、グループプレイには現状改善の余地があるとレビュアーは明言している。フレンドとのマルチプレイを主な楽しみ方にしているユーザーは、今後のアップデート情報を確認してから購入を判断するのが無難だ。ソロ中心のプレイヤーにとっては現時点で問題にはならない。


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