グローバル収益の最大6%という制裁金リスクを背景に、アイルランドのインターネット監視機関「Coimisiún na Meán」が、MetaのFacebookおよびInstagramにおける「ダークパターン」疑惑をめぐり、2件の調査を開始しました。EU全域で適用されるデジタルサービス法(DSA)への準拠が十分かどうかが問われています。

時系列フィードは本当に選べる状態か——EUがMetaに突きつけた疑問

2023年に欧州で発効したDSA(デジタルサービス法)は、Metaのような大規模プラットフォームに対し、プロファイリングに依存したアルゴリズムフィードの代替手段をユーザーに提供することを義務付けています。これを受けてMetaは、EU向けにストーリーズとリールの時系列表示オプションを追加しました。

しかしCoimisiún na Meánは、Metaがこうした代替オプションを「容易にアクセスできる状態」にしていない可能性があり、意図的にユーザーをその選択肢から遠ざけている可能性があると指摘しています。こうした手法は「ダークパターン」とも呼ばれます。今回の調査は、ユーザーからの苦情を受けて開始されたものです。

規制当局の声明——「権利の行使を妨げることは許容できない」

Coimisiún na Meánは声明の中で、次のように述べています。「私たちは、レコメンダーシステムに対して多くの人々が抱く懸念、そしてこれらのアルゴリズムが有害なコンテンツをユーザーのフィードに繰り返し送り込むことで生じる潜在的な害——特に子どもや若者に対する害——を認識しています」。

さらに「プラットフォームが人々の法的権利の行使を妨げること、またはオンラインで何を見るかについて主体的な選択をすることから人々を遠ざけようと操作することは、許容できません」と明言しています。

Metaの反論と制裁金リスク

Metaはこの調査に対し、DSA違反を否定しています。同社の広報担当者はEngadgetへの声明で、「私たちはDSAに違反したという示唆に同意しません。規制上の義務を果たすためにプロセスとシステムに大幅な変更を加えており、この取り組みの詳細をCoimisiún na Meánと共有するために協力していきます」と述べています。

ただし、調査の結果としてDSA違反が認定された場合、MetaはグローバルのDSA規定に基づき、グローバル収益の最大6%に相当する制裁金を科される可能性があります。

現時点では調査が開始された段階であり、違反の認定には至っていません。

Q&A

Q. ダークパターンとは何ですか? ユーザーが意図しない選択をするよう誘導するUI・UXの設計手法です。今回の文脈では、アルゴリズムフィードの代替オプションを見つけにくくしたり、選択を思いとどまらせるような設計が該当します。

Q. この調査はDSAに基づくものですか? はい。DSAはEU全域で適用される法律であり、Coimisiún na Meánは同法への準拠が不十分である可能性があるとしてMetaへの調査を開始しています。

Q. Metaはすでに対応措置を取っていないのですか? MetaはDSAへの対応としてEU向けにストーリーズとリールの時系列表示オプションを追加しています。ただし、Coimisiún na Meánはそれらのオプションが「容易にアクセスできる状態」になっていない可能性があると指摘しており、対応の十分性が問われています。

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