フランスのゲームパブリッシャーNaconの経営破綻の余波が、傘下スタジオに次々と及んでいます。フランスメディアOrigamiは2026年5月7日、『Cthulhu: The Cosmic Abyss』の開発元Big Bad Wolfが閉鎖準備に入っていると報じました。同作の発売からわずか3週間での報道となります。Naconをめぐっては、すでにSpidersの閉鎖が公式発表済みであり、Kylotonn での大規模レイオフも報告されています。経営破綻の余波は複数のスタジオに同時進行で及んでおり、事態の深刻さが改めて浮き彫りになっています。
発売3週間でスタジオ消滅の危機——Big Bad Wolfと問題作の行方
Naconは現在、経営破綻申請の手続き中にあります。Big Bad WolfはNaconの子会社Cyanideの傘下スタジオであり、Origamiの報道によれば、Naconはこの破綻手続きの一環としてBig Bad Wolfの閉鎖を準備していると伝えられています。
ただし、この報道は執筆時点では未確認の情報です。一方でOrigamiは、Naconの経営破綻をめぐる一連の報道において、過去に正確な情報を先行して伝えてきた実績があります。具体的には、『Greedfall』開発元Spidersの閉鎖についても、公式発表の1日前に報じており、その後Spidersの閉鎖は正式に発表されました。Origamiの報道には一定の信頼性があると言えます。
Big Bad Wolfは『The Council』『Vampire: The Masquerade - Swansong』そして『Cthulhu: The Cosmic Abyss』を手がけたフランス・ボルドーを拠点とするスタジオです。
『Cthulhu: The Cosmic Abyss』は発売からわずか3週間での閉鎖報道となりました。同作は一人称視点のパズルアドベンチャーで、ラヴクラフト的なホラー要素を取り入れた作品です。執筆者David Carcasole自身のレビューでは「謎を調査し解決するメカニクスが、ラヴクラフト的なルーツとほぼ同程度に面白い」と評価する一方、「ホラーと緊張感をゲームプレイに十分に結びつけられていない点が惜しく、序盤で積み上げられたホラーと緊張感の多くが海の底に沈んでしまっている」という課題も指摘されています。
また、Big Bad Wolfの閉鎖報道と並行して、Kylotonn での大規模レイオフも報じられています。Kylotonn は、Cyanide や現在閉鎖済みのSpidersと同様に、Nacon の破綻申請後に自らも破綻申請を行ったスタジオの一つです。最終的にKylotonn が閉鎖されるかどうかは、現時点では不明です。
Naconをめぐる労働組合の指摘
フランスのゲーム業界労働組合STJVは、破綻問題を除いた形で、Naconが抱える最大の問題の原因はNacon経営陣にあると指摘しています。Nacon Connect 2026では同社が強気な姿勢を見せていましたが、その直後にBig Bad Wolf閉鎖報道やKylotonn のレイオフ報道が続いている状況です。STJVの指摘は、スタジオ側ではなく経営層の判断や体制に問題があったとする見方を示すものであり、Naconが破綻手続きを乗り越えて存続できるかどうかによって、残るスタジオの行方も大きく左右されると見られます。
欧州ゲーム業界への打撃——日本ユーザーへの意味
今回の一連の動きは、欧州の中堅パブリッシャーが抱える経営リスクの大きさを改めて示すものと見られます。日本のゲームファンにとって最も直接的な影響として考えられるのは、Big Bad Wolfが手がけた作品——とりわけ発売直後の『Cthulhu: The Cosmic Abyss』——のサポート継続が危ぶまれる点です。スタジオが閉鎖された場合、DLCやアップデートが打ち切られる可能性があり、購入済みの作品の今後のサポートを担うスタジオが存在しなくなるリスクがあると見られます。STJVが経営陣の責任を指摘していることからも、今後の欧州パブリッシャーのガバナンスへの注目が高まっていくと見られます。Naconが破綻手続きを乗り越えて存続できるかどうかによって、残るスタジオの行方も変わってくると見込まれます。
Q&A
Q. Big Bad Wolfの閉鎖は確定した情報ですか? A. 執筆時点では未確認の報道です。フランスメディアOrigamiが報じていますが、Nacon側からの公式発表はありません。ただしOrigamiは、Spidersの閉鎖についても公式発表の1日前に正確に報じた実績があります。
Q. Kylotonn はどうなりますか? A. 大規模なレイオフが報じられていますが、最終的にスタジオが閉鎖されるかどうかは現時点では不明です。詳細は出典元を参照してください。
Nacon傘下スタジオの現状比較
| 項目 | Big Bad Wolf | Spiders |
|---|---|---|
| 親会社 | Cyanide(Nacon傘下) | Nacon直接傘下 |
| 代表作 | Cthulhu: The Cosmic Abyss, Vampire: The Masquerade - Swansong, The Council | Greedfall |
| 閉鎖状況 | 閉鎖準備中と報じられています(未確認) | 閉鎖済み(公式発表済み) |
| 閉鎖の先行報道 | Origamiが2026年5月7日に報道 | Origamiが公式発表1日前に報道 |
ポイントまとめ
- Big Bad Wolfは『Cthulhu: The Cosmic Abyss』発売からわずか3週間で閉鎖準備に入ったと報じられていますが、執筆時点では未確認情報です。
- Origamiは過去にSpidersの閉鎖を公式発表の1日前に正確に報じた実績があり、報道の信頼性には根拠があります。
- STJVは、破綻問題を除いた形でNaconの最大の問題の原因はNacon経営陣にあると指摘しており、Kylotonn の今後も含め、Naconが破綻手続きを乗り越えられるかが今後の焦点となります。
