定規で測っても視認できない0.59mm——Appleがまだ正式発表していない折りたたみ機のリーク寸法に、HuaweiとSamsungが設計を合わせてきた。GSMArenaが公開した比較映像でiPhone Ultraのダミー機とHuawei Pura X Maxを並べると、展開時の幅差はわずか0.59mm、高さ差は1.09mmしかない。未発表のiPhoneが競合2社の設計図に影響を与えているとすれば、折りたたみ市場の競争軸が「スペック」から「フォームファクターの先読み合戦」へと移行しつつある——そう感じずにはいられない比較映像です。

Appleが沈黙しているのに、HuaweiとSamsungが動き出した理由

GSMArenaは比較記事の中で、Huawei Pura X Max(2026年4月発表済み)とSamsung Galaxy Z Fold Wide(今年後半登場見込み)の両製品について、Appleがまだ正式発表していないiPhone Ultraが両製品に「確実に影響を与えた(has definitely influenced)」との見解を示しています。

これはGSMArenaライターの見解・推測であり、確立された事実ではありません。しかし、正式発表前の製品が競合の設計に影響を与えていると業界メディアで指摘されること自体が、iPhoneブランドの"予告効果"の大きさを物語っています。Appleは一枚の設計図をリークされるだけで、競合各社に「その寸法に合わせなければ市場で見劣りする」というプレッシャーをかけられる立場にある——それが今回の比較映像が持つ最大の含意です。

3機種の展開時サイズ——0.59mmの差が実際の手触りに与える影響

リークされたスキマティック(設計図)に基づく各機種の展開時サイズは以下のとおりです。いずれも最終製品と異なる可能性があります。

機種高さ厚み
iPhone Ultra(リーク情報)120.59 mm167.59 mm4.7 mm
Huawei Pura X Max120 mm166.5 mm5.2 mm
Samsung Galaxy Z Fold Wide(推定・リーク情報)123.9 mm164.4 mm※4.3 mm

※Samsung Galaxy Z Fold Wideの数値はGSMArenaが「allegedly(推定)」として記載しているものであり、他の2機種に比べて確実性が低い点にご注意ください。Samsung端末の正式名称はまだ未発表であり、「Galaxy Z Fold Wide」はメディア各社が便宜的に使用している呼称です。

iPhone UltraとPura X Maxの「ほぼ同サイズ」を体感に翻訳すると:幅0.59mm・高さ1.09mmという差は、ポケットへの収まり方や片手持ち時のグリップ感において実質的な違いをほぼ生まない数値です。同じズボンの同じポケットに毎日入れて初めて「なんとなく違う気がする」かどうか、というレベル。一方、厚みはPura X Maxが5.2mmに対しiPhone Ultraが4.7mmと0.5mmの差があります。折りたたみ端末を閉じた状態でシャツの胸ポケットに差したとき、その0.5mmはわずかながら感触の違いとして現れる可能性があります。

Samsung Galaxy Z Fold Wide(推定)が選んだ別のアプローチ:リーク情報によれば、幅123.9mmは3機種中最も広く、高さ164.4mmは最も低い。縦に細長いiPhone Ultra・Pura X Maxとは対照的に、より正方形に近いアスペクト比を採用しているとみられます。展開時に動画や書類を横向きで閲覧するシーンでは、この幅の広さが有利に働く可能性があります。ただしこの数値はリーク情報に基づく推定であり、確定値ではありません。

0.59mm差でも一目で見分けられる——カメラアイランドが生む「別物感」

「幅0.59mmしか違わないなら、並べても区別がつかないのでは?」——GSMArenaの映像を見ると、その予想はすぐに覆されます。

展開時サイズがほぼ同一でも、背面カメラアイランドの形状が明確に異なるため、2台を並べた瞬間に別製品だとはっきり分かります。スマートフォンを「パッと見」で識別する際、最初に視線が向かうのはカメラ周辺のデザインです。つまり、ユーザーが店頭で感じる「これはAppleのデザインだ」「これはHuaweiだ」という第一印象は、本体サイズではなくカメラ部分が決定的な役割を果たします。

GSMArenaはこの映像について「フォームファクターはかなり似ている(the form factor is pretty similar)」と表現しており、Pura X MaxがiPhone Ultraと正面から競合することになる(will compete head-on)との見方を示しています。

重ねて強調しておきたいのは「これはダミー機との比較」という点です。ダミー機は量産品と形状が異なるケースがあり、最終的なカメラ配置・素材感・細部デザインはAppleの公式発表まで確定しません。現時点での比較はあくまで「大まかな方向性」の把握に留めておくのが適切です。

「で、どれを買えばいい?」——3機種を状況別に整理する

Q. iPhone Ultraはいつ正式発表されますか? 現時点でAppleによる公式発表はありません。リーク情報や業界の慣例から2026年内の発表が想定されているとの見方もありますが、具体的な時期は確認されていません。競合のHuawei Pura X Maxがすでに2026年4月に発表済みであることを踏まえると、正式発表前の購入検討はAppleの公式情報を待つのが賢明です。

Q. 今回の比較に使われたダミー機のサイズは信頼できますか? 展開時サイズ(120.59 × 167.59 × 4.7 mm)はリークされたスキマティック(設計図)に基づく数値です。ダミー機はその設計図を元に作られているため、最終的な外形寸法については一定の参考になります。「このサイズ感のデバイスが出てくる」という感触をつかむ用途には役立ちますが、素材・仕上げ・細部のデザインは量産品で変わる可能性があるため、スペック確認の根拠としては不十分です。

Q. 3機種の中で今すぐ買えるのはどれですか? Huawei Pura X Maxは2026年4月にすでに発表されており、現時点で購入可能な唯一の機種です。ただし現在のところ中国国内での販売のみとなっており、GSMArenaによると中国国外での展開については不確定(not sure whether we'll see it outside of China)な状況です。Samsung Galaxy Z Fold Wide(正式名称未発表)は今年後半の登場が見込まれています。iPhone Ultraは正式発表すらまだありません。

状況別の判断基準をまとめると——「折りたたみワイド型を今すぐ手に入れたい」ならPura X Maxが現状唯一の選択肢ですが、販売地域の制約に注意が必要です。Samsung機を待てるなら今年後半まで様子を見る価値があり、iCloud・AirDrop・Apple Watch連携などAppleエコシステムに深く依存しているなら、多少待ってでも公式発表まで動かないのが合理的な判断です。


iPhone Ultra・Huawei Pura X Max・Samsung Galaxy Z Fold Wide(正式名称未発表)の3機種がほぼ同じフォームファクターに収まっていることは、折りたたみ市場が「大型縦長」という設計の正解に向けて急速に収束しつつあることを示しています。サイズが横並びになる分、差別化の主戦場は厚みの薄さ・カメラ性能・OSエコシステムへと移っていく。今この瞬間に3機種を選ぶ基準があるとすれば、「エコシステム」と「購入できる時期」の2軸です。どの機種を検討するにしても、公式発表後の実機レビューで厚みと質感を手で確かめてから判断するのが得策です。

出典