1日あたり約8〜10時間のホットスポット使用を3日間続けた後も、バッテリー残量が50%以上残っていた——これがEdgar Cervantes氏(Android Authority)が数週間にわたる実機テストで確認したBaseus EnerGeek GX11 MiFiの現実だ。$129.99という価格に、20,000mAhのモバイルバッテリーとSIM交換不要で150以上の国・地域をカバーする4G LTEホットスポットが1台に統合されている。旅先で「充電が切れた」「ネットにつながらない」という2つのストレスを、財布から出し入れできるサイズで同時に断ち切る——そのコンセプトを、実際の使い勝手はどこまで裏付けているのか。
431gの本体にUSBケーブル兼ストラップ——この"1本分"の差が旅先で効いてくる
本体サイズは約4.69×2.01×2.01インチ(約119×51×51mm)、重量は約15.2オンス(約431g)。バックパックのボトルホルダーに余裕を持って収まり、片手にしっかり収まるグリップ感だとAndroid Authorityは表現している。
上部にはUSB-Cポート×2とUSB-Aポート×1の計3ポートを搭載しており、複数機器を有線充電しながらホットスポットとして無線接続も同時に行える。側面のトグルスイッチでWi-Fiのオンとオフをワンタッチで切り替え、ボタンで電源とディスプレイを操作する設計だ。ディスプレイにはバッテリー残量に加え、データ有効時は接続台数とWi-Fiの状態がリアルタイムで確認できる。
見落とされがちな設計上の工夫がある。ストラップがUSB-Cケーブルを兼ねているのだ。持ち歩くケーブルが1本減るだけと聞けば地味に思えるが、空港や宿でバッグの中をあさる回数が確実に減る。Android Authorityはこの点を実用性の高い工夫として評価している。
バッテリー容量20,000mAhは一般的なスマートフォンを概ね2〜4回フル充電できる容量で、最大67Wの急速充電により本体の補充も短時間で完了する。ホットスポット単体の連続稼働時間はカタログ値で最大114時間。実測(合計約24〜30時間の使用後に50%超残存)を踏まえれば、2泊3日の週末旅行なら追加充電なしで乗り切れると判断してよい。
SIM不要・150か国対応、実測60〜100Mbps——ただし5Gは切り捨てている
このデバイスの核心は、uCloudlinkのCloudSIM技術を採用したホットスポット機能にある。物理SIMもeSIMも不要で、「Baseus MiFi」アプリからデータプランを購入・管理するだけで接続が完結する。海外到着後にSIMを差し替えたり、現地eSIMを設定し直したりする作業はゼロだ。
最大10台のデバイスを同時接続できる。実際のテストでは、ノートPC・タブレット・スマートフォン2台の計4台を同時に接続して問題なく動作することが確認されている。グループ旅行での共用も現実的な使い方になる。
通信速度はダウンロード最大150Mbps・アップロード最大50Mbpsが仕様値。実測ではダウンロードが約60〜100Mbps、アップロードが約20〜30Mbpsで推移した。ビデオ会議・4K動画視聴・大容量ファイル転送といった個人作業には十分なスピードであり、米国とメキシコでのテストはいずれも問題なく動作した。ただし、複数人が動画ストリーミングやSNS投稿を同時に行うような環境では速度が不足する可能性があるとAndroid Authorityは指摘している。
明確な制約として、本製品は5Gに非対応で4G LTE専用だ。最大150Mbpsという数値は4G LTEとして優秀な部類に入るが、5G環境を前提にしたヘビーユースには対応できない。購入前に確認しておきたい最大のトレードオフがここにある。
1日$16から年間$499まで——データプランのコストを正直に整理する
データプランはアプリ内で購入する。主な価格帯は以下のとおりだ。
- 1日グローバルパス:$16〜(フルスピード4GB)
- 100GB・30日間グローバルパス:$499(最上位プラン)
- 米国向け年間パス:$499(月50GBのフルスピード)
米国内向けには月額・年額プランがあり、フルスピードでの通信量は50〜200GBにキャップされている。海外向けには「グローバルサービス」タブから国別プランおよびどこでも対応するグローバルプランも選択できる。購入時に20GBのローカルデータ(60日間有効)が付属しており、到着直後から追加費用なしで試せる。以前は1GBのグローバルデータが1年間にわたって月次で提供されるサービスがあったが、このサービスはすでに終了している。
Android Authorityはこれらのプランを「高い」と評価し、コスト節約よりも利便性に価値を見出せる人向けのデバイスだと明言している。年に数回程度の海外旅行や国内移動のみであれば、現地キャリアのプランの方が安く済む可能性が高い。ランニングコストが割に合うのは、頻繁に複数国を移動しながらSIM管理の手間をゼロにしたい人、または電波の不安定な場所でバックアップ回線として使い続ける人に絞られる。
$129.99を出す前に確認する——本当に得をする3タイプとそうでない人
$129.99という本体価格は、同等スペックのモバイルバッテリー単体と大きく変わらない水準だ。ホットスポット機能が実質タダで付いてくるような価格設定ではあるが、活用するにはデータプランのランニングコストが継続的に発生する。Android Authorityが有用と評価する3タイプは以下のとおりだ。
- RVや長距離ロードトリップをする人:メインのインターネット接続が落ちたときのバックアップとして機能する。バッテリーを同時に確保できるため、車中泊や長距離移動との相性は高い。
- 複数国を頻繁に移動するビジネス渡航者:SIM交換・eSIM設定・ローミング費用の心配がなくなる。1台持ち歩くだけで150か国以上をカバーできるシンプルさは、移動の多い渡航者にとって管理コスト削減に直結する。
- キャンプや僻地に出かける人:複数のネットワークへ自動切替できるCloudSIMの特性が、電波の弱い場所での接続安定性を高める。充電インフラが限られる環境では、大容量バッテリーとの組み合わせが特に効いてくる。
逆に言えば、年数回の海外旅行や国内のみの使用が中心であれば、本体価格よりもデータプランの累積コストがすぐに割高になる。購入判断の出発点は本体価格ではなく、自分の渡航頻度と行き先をデータプラン料金に照らし合わせた試算だ。
Q&A
Q. 物理SIMやeSIMは使えますか? 使えません。本製品はuCloudlinkのCloudSIM技術を採用しており、物理SIMカードもeSIMプロファイルも使用しません。データプランの管理はすべて「Baseus MiFi」アプリ上で行います。海外でSIM売り場に並ぶ手間がなくなる一方、手持ちのSIMカードやeSIMプランを流用することは不可能なため、アプリ内のデータプランコストが実質的な継続維持費になります。
Q. データプランはどのくらいコストがかかりますか? 購入時に20GBのローカルデータ(60日間有効)が付属します。追加データは1日グローバルパスが$16(4GBフルスピード)から、100GB・30日間グローバルパスが$499です。Android Authorityは「利便性のための価格であり、コスト節約にはなりにくい」と評価しています。年に数回しか海外旅行しないなら現地SIMの方が安いですが、毎月複数国を渡航する人にはSIM管理の手間を省ける価値があります。
Q. 5G通信には対応していますか? 非対応です。4G LTEのみに対応しており、最大ダウンロード速度は150Mbps・最大アップロード速度は50Mbpsとされています(いずれも最大値)。実際のテストでは60〜100Mbps/20〜30Mbpsで推移しました。ビデオ会議や4K動画視聴は問題なくこなせますが、5G前提のヘビーユースや複数人での同時大容量通信には向きません。
出典
- Edgar Cervantes / Android Authority — This innovative power bank solved both my battery and internet anxiety
