YouTubeモバイルアプリの下部ナビゲーションから「Subscriptions」タブが消える——9to5Googleの記者が自身のアカウントでこの実験的UIに遭遇し、YouTube側も「現在進行中の実験のひとつ」と認めたことが明らかになりました。記者はPremium・非Premiumを含む複数アカウントで挙動を検証しており、Google I/O開幕の前夜という時点での発見となります。最も使用頻度の高いタブが、縦長スマホ画面の上部へと追いやられる可能性が浮上した格好です。

下部ナビから消えるSubscriptions——配置はアプリロゴ直下へ

今回テスト中のレイアウトでは、これまで画面下部の固定ナビゲーションに置かれていた「Subscriptions」が、アプリロゴ直下の二次メニューへと移されています。このメニューには通常のホーム画面フィルタである「Music」「New to You」が並びますが、それに加えて下部ナビとは別の「Home」タブと、消えた「Subscriptions」ボタンが並ぶ構成です。

「Subscriptions」をタップすれば、これまでどおりフォロー中のチャンネル一覧が読み込まれるものの、専用の常駐スペースは失われています。YouTubeの説明によると、ホームとSubscriptionsの両フィードを画面上部でスワイプ切り替えできる新しい体験を試験しており、配置の移動はその一部とのことです。

If you are part of this experiment, you might notice a few placement changes to your Home and Subscriptions feeds. (この実験の対象になっている場合、HomeフィードとSubscriptionsフィードの配置にいくつかの変更が見られる可能性があります)

親指が届かない位置への移動——日常体験への影響

下部ナビゲーションは、片手持ちで親指が自然に届く位置にあるため、登録チャンネルを頻繁にチェックするユーザーにとっては1日に何度も繰り返すワンタップ動作の起点でした。これが画面上部のスワイプ式タブに移されれば、近年の極端に縦長化したスマートフォンでは親指の到達距離が大きく伸び、片手では指を伸ばすか持ち替えるかが必要になります。9to5Googleの記者も、自分が最も使うタブを「今日の極端に縦長なスマートフォンでは届きにくい位置」に動かす変更だと評しており、毎日の操作回数が多い機能ほど体感的な負担増は無視できません。

「Create」ボタン新設の兆候——AI制作ツールの示唆も

このテストUIではもう一点、これまでの中央「+」アイコンが「Create」ラベルを持つ独立ボタンとして再構成されている点が確認されています。9to5Googleはこの変化について、現状のTikTok風カメラショートカットを超えて、何らかのAIベース制作ツールに踏み込む可能性をうかがわせるものだと指摘しています。ただし具体的な機能は明らかにされておらず、現時点では推測の域を出ません。

一方で、Subscriptionsタブを縦長スマホで指の届きにくい画面上部に追いやる代償として、エンドユーザー側に明確なメリットが提示されているわけではないと9to5Googleは指摘しています。普段使うタブが遠くなるだけで実質的な恩恵に乏しい変更だ、というのが現場記者の率直な評価です。

ロールアウトは限定的、Google I/Oでの言及には注意

実機検証ではPremium・非Premiumを含む複数アカウントで挙動を試したものの、新UIが安定して固定される様子はなく、メインプロファイルに戻った際にはSubscriptions自体にアクセスできなくなる不具合的な挙動も発生したと報告されています。アプリを再起動すると現行UIに戻り、その後は新レイアウトを呼び戻せていません。

YouTube自身が「実験のひとつ」と位置づけていることや、こうした不安定さからも、近い将来に全ユーザーへ展開される類のものではないと9to5Googleは見ています。ただし、報じられた翌日にはGoogle I/Oの開幕が控えており、登壇者の一言で状況が変わる可能性は否定できません。直近のI/OがGeminiとAIに強く寄っていることを踏まえると、UIロールアウトより「Create」側の話題化の方が想像しやすい、と9to5Googleは付け加えています。

読者として今どう構えるか

Subscriptionsタブを中心に使っているユーザーにとっては、今回のテストは歓迎しづらい配置変更です。9to5Googleによれば、テスト範囲は限定的で挙動自体も安定していないため、現時点で慌てて操作習熟をやり直す必要はありません。仮にテスト群に含まれてしまった場合でも、「Subscriptions」をタップすれば従来どおりフォロー中のチャンネル一覧自体は読み込めるため、配置変更への違和感が強い間は無理に新UIへ慣れようとせず、続報を待つのが落ち着いた構え方です。

上部ナビへ移されるのはSubscriptionsだけではない——付随する細かい変化

今回の実験では、Subscriptionsの移動だけでなくフィード周辺の細部にも変更が加えられています。YouTubeは公式に「Movies & TVなど他のコンテンツフィードも、有料コンテンツを一カ所でアクセスできるよう、この上部ナビ領域に移す可能性がある」と説明しています。視聴フィードを縦の階層から横スワイプ式の並列構造に再編する方向性がうかがえます。

細部で確認されている挙動の違い

  • 新レイアウトではExploreメニューが、画面を引っ張って更新するか上方向にスクロールした際に表示されるようになります
  • Subscriptionsに新着投稿があると赤いドットが表示される挙動も確認されており、下部に配置されていたときにはなかった通知サインです
  • 配信範囲については、Android・iOS両方のごく一部の視聴者に対してグローバルで段階的に展開していると説明されています

単純な「タブの引っ越し」ではなく、通知表現やExploreの呼び出し方まで含めた総合的なフィード体験の再設計として捉える必要があります。

「Create」ボタンの背後にあるYouTubeのAI制作戦略

元記事で触れられた「Create」ラベルの新設について、その背景にあるYouTube公式ロードマップを補足します。YouTube CEOのNeal Mohanは年次レターで2026年に3つのAI制作機能を導入する方針を発表しており、「Create」ボタンの独立配置は、これらの機能群への入口を整える布石と読むのが自然です。

2026年に予告された3つのAI制作機能

  • 自分の肖像を使ってShortsを制作できる機能
  • 実験的なPlayablesプログラムを通じてテキストプロンプトからゲームを生成する機能
  • 音楽制作ツール

利用実態の側でも裾野は広がっており、2025年12月時点で100万以上のチャンネルがYouTubeのAI制作ツールを毎日利用していたとレターは報告しています。さらにShorts側では具体的な実装も進んでおり、Google DeepMindのVeo 3 FastがShortsの制作ワークフローに統合され、動画背景や短いクリップを効果音付きで直接生成できるようになっています。中央タブのリネームは単なる装飾的変更ではなく、これらの機能を一望できる導線づくりの一環として位置づけられます。

Q&A

Q. 自分が今回のテスト対象に含まれているかを確認する方法はありますか? 専用の確認画面は用意されていません。モバイルアプリを起動した際、下部ナビゲーションから「Subscriptions」タブが消え、アプリロゴ直下にHomeとSubscriptionsのスワイプ式タブが現れていれば対象である可能性が高いと考えられます。9to5Googleの記者は複数アカウントを切り替えて挙動を検証しましたが、出現と消失は安定せず再現性も低かったと報告しています。

Q. テスト対象になった場合、フィードバックはどこから送れますか? 9to5Googleは記事内で、テスト群に含まれた読者に対して「フィードバックをはっきりと送ること」と、同記事のコメント欄で見え方を共有することを呼びかけています。アプリ内フィードバック機能の具体的な場所については、現時点で明らかにされていません。

Q. 「Create」ボタンでは何ができるようになりますか? 現時点で具体的な機能は公表されていません。9to5Googleは、現行のTikTok風カメラショートカットを超えてAIベースの制作ツールに広がる可能性を指摘していますが、推測の域にとどまります。

出典