新Runボックスの正式公開、CPU周波数をバースト的に引き上げるLow Latency Profile、4本のInsiderビルド、ChromeとEdgeによる4GBのAIモデル自動DLをブロックする新機能——今週Microsoftが投入した改善は具体的かつ実用的なものばかりです。それでもXやRedditでは「slop」「時間の無駄」といった声が目立ち、Windows Centralの筆者Sean Endicott氏は、Microsoftを批判する記事の方が称賛する記事よりエンゲージメントが高い傾向にあると述べています。
体感速度が変わる4つの改善ポイント
Windows Centralによると、今週Microsoftが進めた目立った変更は次のとおりです。
- 新しいWindows Runボックス:従来のレガシーUIに対し、起動が速く機能も増えた刷新版が正式に公開されました。
- Low Latency Profile:高優先度タスクの起動時にCPU周波数をバースト的に引き上げ、アプリ起動やシステム応答性を高速化する新機能です。現在はWindows Insider向けの初期テスト段階で、Windows Centralは「Windows 11 is set to gain a new feature」とヘッジ的に伝えています。
- 4本のWindows Insiderビルド:タッチパッドジェスチャーの改善、File Explorerの説明文の明確化、音声入力UIの刷新、K-12教育機関向けの無償アップグレードパスなどが含まれます。
- ChromeとEdgeの4GB AIモデル自動DLをブロック可能に:オンデバイス生成AI機能のためにChromeとEdgeが明示的な同意なしにローカルAIモデル(4GB)を自動ダウンロードする挙動を、Windows 11側で止められるようになりました。
Low Latency ProfileについてはSenior EditorのZac Bowden氏が2026年5月8日に動作検証の動画を公開しており、Windows Centralはフライアウトやアプリ起動が大幅に高速化する「genuine performance improvements」がベンチマークで確認されたと報じています。ただし結果はあくまでテスト動画上のもので、実環境での体感差は条件によって変わり得ます。
それでも止まらない批判:「デフォルトじゃないのはなぜ」「CPUスパイクが不安」
こうした前向きな変更に対してもXやRedditでは厳しい声が目立ちます。Low Latency Profileに対しては「slop(雑な実装)」「時間の無駄」「Windowsはすでに崩壊している」といったコメントが寄せられたほか、「なぜデフォルト動作にしないのか」という不満や、逆に「CPUスパイクが心配だからこんな機能はいらない」という相反する批判もあったと報じられています。
Managing EditorのJez Corden氏が「私たち多くがXboxを当然のものとして扱いすぎている」と自戒を込めて指摘したところ、「PlayStationに乗り換えろ」「Microsoftの回し者だろう」といった反応が返ってきたといいます。
Sean Endicott氏は、批判すべきところは批判してきたとしつつも、Microsoftを批判する記事の方が称賛する記事よりエンゲージメントが高い傾向がほぼ例外なく続いていると指摘しています。改善を評価する声より、不満をぶつける声のほうが大きくなりやすい構図が続いているわけです。
残された課題:Windows 10ユーザーの停滞とXbox Modeのマルチディスプレイ問題
すべてが順調というわけではありません。
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| Windows 10からの移行停滞 | Valveの最新Steamハードウェア調査で、Steam利用者のうちWindowsユーザーの約4分の1が依然としてWindows 10を使い続けていることが明らかになりました。新ハードウェアを買えない価格的事情が背景にある可能性が指摘されています。 |
| Xbox Modeのデュアルモニター挙動 | Xbox Modeをデュアルモニター環境で使うと、セカンダリディスプレイが空白のままになる挙動が確認されており、PCゲーマーから懸念の声が上がっています。 |
注目セール:WD_Black SN7100 SSD
Windows Centralは今週のおすすめディールとして、WD_Black SN7100 SSDを挙げています。4TBモデルに対する大幅値引きは終了したものの、1TB・2TB版にはお得な価格が継続しており、4TBモデルもAmazonでまだ割引が続いていると報じられています。週末で終了見込みとされています。具体的な価格情報は出典元を参照してください。
今すぐ更新すべき? それとも様子見?
今回紹介されている機能の多くはWindows Insider経由の初期テスト段階のため、安定性を重視する一般ユーザーは慌てて飛びつく必要はありません。新Runボックスのように既に正式公開されたものは試す価値がありますが、Low Latency Profileのようなテスト中の機能は、Insider Programに参加して挙動を理解したうえで利用するのが妥当です。Windows 10からの移行を検討している場合は、ハードウェア要件と費用を含めて慎重に判断したいところです。
Low Latency Profileの背景:2026年通年で進むWindows 11パフォーマンス改善ロードマップ
今回のLow Latency Profileは単発の機能追加ではなく、Microsoftが2026年に予告したパフォーマンス改善ロードマップの一環として位置付けられています。Microsoftはシステム応答性、アプリ起動時間、File Explorerの基礎部分、Windows Subsystem for Linux(WSL)を対象に、よりスムーズで信頼性の高い体験を2026年を通じて継続的に展開すると表明しています。
主要な改善ターゲット
- OS自体のメモリフットプリント低減によるベースラインのハードウェアリソース使用量削減で、File Explorerはすでに起動時間の短縮といった早期改善が見え始めています
- 2026年の大型品質アップデートでは移動可能なタスクバー復活とモダンUI(右クリックメニュー含む)の高速化、Copilot統合の制限、広告削減、スキップ可能なWindows Updateも計画されています
つまりLow Latency Profile単体への批判は妥当性があっても、改善は段階的に積み上がる設計です。
「Windows 10に留まる4分の1」を支えるESUプログラムの実像
元記事ではSteamユーザーの約4分の1がWindows 10に留まっていると触れられていましたが、その背景にはMicrosoftが提供するESU(Extended Security Updates)の選択肢があります。ESUはWindows 10 PCに対し2026年10月13日まで重要なセキュリティ更新を継続提供する仕組みです。
| 区分 | 加入方法・費用 | 期限 |
|---|---|---|
| 個人(無料) | PC設定の同期 | 2026年10月13日 |
| 個人(ポイント) | Microsoft Rewards 1,000ポイント引換 | 2026年10月13日 |
| 個人(購入) | 30米ドルの一括購入 | 2026年10月13日 |
| 企業 | 初年度61ドル→2年目122ドル→3年目244ドルで合計427ドル | 最大2028年10月 |
1ライセンスで最大10台までカバー可能です。さらに大半のWindowsデバイスで使われるSecure Boot証明書は2026年6月から失効が始まる予定で、更新しないと一部端末で安全な起動に支障が出る可能性があります。価格面の事情でWindows 10に留まるユーザーにも、移行を促す技術的な締切が確実に迫っています。
Q&A
Q. Low Latency Profileは一般ユーザーも今すぐ使えますか? 現時点ではWindows Insider向けの初期テスト段階の機能です。デフォルトで有効になっているわけではなく、一般リリース時期や最終仕様は確定していません。
Q. Windows 11で本当にChromeやEdgeのAIモデル自動ダウンロードを止められるのですか? はい。Windows 11側で、ChromeとEdgeがオンデバイス生成AI用のローカルAIモデル(4GB)を明示的な同意なしに自動ダウンロードする挙動をブロックできるようになりました。ストレージや帯域を節約したいユーザーには有用な変更です。
Q. Xbox Modeのデュアルモニター問題は修正される予定ですか? セカンダリディスプレイが空白になる挙動はPCゲーマーから懸念として報告されていますが、修正時期に関する公式な情報は現時点で公表されていません。
