アプリ起動を最大40%高速化する可能性があるとされる新プロファイル、Windows Updateの無期限停止、WinUI 3で刷新されるRunボックス——MicrosoftがWindows 11の品質改善に本腰を入れる動きが、Windows CentralのポッドキャストでDaniel Rubino氏とZac Bowden氏により語られました。コードネーム「Project K2」(ポッドキャスト内では「Windows K2」とも呼称)と呼ばれる取り組みは、UIの刷新からアップデート制御、パフォーマンス改善まで広範に及ぶとされています。同時にXboxの組織再編やCopilotの方針転換にも触れられており、Microsoft全体が方向性を見直す局面に入ったと位置づけられています。

Project K2——Windows 11を立て直す品質改善プロジェクト

ポッドキャストの中核トピックが、Windows 11を修正するためのコードネーム「Project K2」です。Windows Centralは、この取り組みでいくつかの具体的な改善が進んでいると伝えています。

  • WinUI 3版の新しいRunボックス:従来のRun(ファイル名を指定して実行)ダイアログがWinUI 3で刷新される見込み
  • アップデートの無期限一時停止:Windows Updateを期限を区切らずに止められるようになる予定
  • Low Latency Profile:アプリ起動速度を最大40%高速化する可能性があるとされる新プロファイル(ソース原文では「could boost」とヘッジ表現)

これらはいずれも「Windows 11の品質革命」と表現されており、長年ユーザーから指摘されてきた使い勝手の問題に正面から取り組む姿勢が示されています。WinUI 3化されたRunボックスは、現代的なUIへの統一感やHiDPI環境での描画改善といったユーザー体験面の底上げにつながると見込まれます。ただし、現時点で公開された情報はポッドキャストでの議論ベースであり、具体的な提供時期や対象エディションについては明確にされていません。

CopilotはXboxから削除、Notepad等でも簡素化へ

Project K2と並んで注目されるのが、Copilot戦略の見直しです。ポッドキャストでは、Microsoftが「行き過ぎた部分を認めている」と表現されており、以下の方針が議論されました。

  • Xbox OSからCopilotが削除される
  • Notepadなどのアプリでも、組み込まれていたCopilot機能が簡素化される

ここ数年、MicrosoftはCopilotをOS全体・アプリ全体に統合する方針を進めてきましたが、ユーザー体験を損なう局面では撤退も辞さない判断に切り替わったと見られます。ただし、これがCopilot戦略全体の縮小を意味するのか、それとも適材適所の整理に留まるのかは、現時点では明確になっていません。

Xboxの組織再編とGame Pass価格改定

ゲーミング分野でも大きな動きがあります。Windows Centralによると、「Microsoft Gaming」が正式に「Xbox」へとリブランドされ、Asha Sharma氏のもとでリーダーシップが刷新されました。@xbox.comメールアドレスの導入なども含め、Windows Centralは「反逆児(rebel)精神が戻ってきた」と表現しています。

Game Pass周りでは以下が議論されました。

  • Game Pass Ultimateの新価格として$22(約3,400円、概算)が言及
  • Call of Dutyの提供方針が「Day 1(発売日)」から「Year 1(発売初年度内)」へ変更

Call of Dutyの扱いは、サービスへのコスト負担と加入価値のバランスを取り直す戦略的な転換と見られますが、Day 1供給を期待していたユーザーには実質的な後退と受け止められる可能性もあります。

Surfaceは安全になりすぎたか——Pro XL構想も浮上

ポッドキャスト後半では、Surfaceブランドの現状にも踏み込んでいます。Surface製品が「安全(safe)」になりすぎているのではないかという問いが投げかけられ、ブランドを再活性化するためのアイデアとして「Surface Pro XL」のような大型モデル、かつての高揚感のあるライブ発表イベントの復活などがブレインストーミングされました。これらはあくまで両氏のアイデア交換であり、Microsoftの公式計画ではない点には注意が必要です。

ライブ版のポッドキャストはWindows Central公式YouTubeチャンネルでも視聴できます。

リーク・観測情報を含む議論が中心のため、現時点では「Microsoftが品質改善とブランド整理に動き始めた兆候」として捉え、公式発表を待つのが妥当です。Project K2の機能群が実際にどのWindows 11バージョンで一般提供されるかは、続報を確認していく必要があります。

Low Latency Profileはすでに動作中——Insiderビルドで検証された実効性

元記事では「最大40%高速化の可能性」というヘッジ表現で紹介されたLow Latency Profileですが、続報ではより具体的な動作実態が明らかになっています。この機能はCPU周波数を短時間だけ引き上げるもので、ユーザーがアプリ起動やスタートメニューなどの優先度の高い操作を行ったとき、1〜3秒間CPUを最大周波数まで押し上げる仕組みです。in-boxアプリ(EdgeやOutlookなど)で最大40%、スタートメニューやコンテキストメニューといったUI部分では最大70%の高速化が報告されています。

体感性能とハードウェアへの影響

Low Latency Profileのバッテリー寿命や発熱への影響は軽微で、CPU周波数のスパイクが短時間しか続かないため、冷却システムに影響したり電力を大きく消費したりすることはないとされています。現時点ではユーザー向けのオン/オフトグルは用意されておらず、バックグラウンドで自動的にトリガーされ、ユーザーには不可視となっています。機能はすでにWindows Insiderビルドでデフォルト有効化された状態でテストされており、Windows 11の今後の大型アップデートでの提供が見込まれています。

Xbox組織再編の続報——リーダーシップ刷新とGame Pass値下げの実態

元記事ではAsha Sharma氏のリーダーシップ刷新と$22前後のGame Pass価格が言及されていましたが、続報でより詳細な体制と数値が判明しています。Sharma氏は2026年2月23日にPhil Spencer氏の後任としてXbox CEOに就任した経営者で、それ以前はMicrosoftのCoreAI部門のPresidentを務めていました。

項目変更前変更後
Game Pass Ultimate$30/月$23/月
PC Game Pass$16.50/月$14/月

上記のとおりGame Pass Ultimateは月額$30から$23へ、PC Game Passは$16.50から$14へと引き下げられています。体制面では、CoreAI出身のJared Palmer氏がVP of engineeringとして、Tim Allen氏がデザイン責任者としてXboxに合流しています。次世代コンソールはコードネーム「Project Helix」として開発が進められており、開発者向けアルファ版は2027年に提供予定とされています。

Q&A

Q. Project K2の機能はいつ使えるようになりますか? ポッドキャストでは具体的な提供時期は明示されていません。WinUI 3版Runボックス、Update無期限一時停止、Low Latency Profileなどが議論されましたが、対象となるWindows 11のバージョンや一般提供時期は現時点で公表されていません。

Q. Low Latency Profileで本当にアプリ起動が40%速くなりますか? Windows Centralは「could boost your app launch speeds by 40%(アプリ起動速度を最大40%高速化する可能性がある)」とヘッジ表現で紹介しています。実環境での効果はハードウェアやアプリによって変動する可能性があり、Microsoftからの公式な性能数値の発表が待たれます。

Q. XboxからCopilotが消えるのはなぜですか? Xbox OSからCopilotを削除し、Notepad等でも機能を簡素化することで、本来のユーザー体験を優先する判断に切り替えたと見られます。Copilot戦略全体の方向性については明確にされていません。

出典