40年以上前、ソビエト製コンピュータ「Elektronika 60」の上で誕生したテトリスのオリジナル版が、Apple Vision Proユーザーの手に届いた。Apple Vision Pro向けクラシックゲームアプリ「Retrocade」に隠しゲームとして潜んでいたテトリスが正式タイトルへと昇格し、アプリを開けば即プレイできるようになった。Apple Arcadeに加入済みのVision Proユーザーは今日から追加費用なしでこの「原点」に触れられる。

「探さないと遊べないゲーム」がメニューの正式タイトルに

Retrocadeのテトリスは、これまでアプリ内に仕込まれたイースターエッグ——いわば隠し要素——として存在していた。知っているユーザーだけが意図的に探し当てることで起動できる仕様だったが、今回のアップデートにより他の12タイトルと並んでフロントメニューに正式登録された。アプリを起動すればタイトル一覧に並ぶ。探す手間なく、選んで即プレイできる。

開発元のResolution Gamesは、往年のクラシックゲームを空間コンピューティングで体験する「バーチャルミュージアム」としてRetrocadeを構築することを目指している。テトリスの正式採用は、そのコレクションをより充実させる一手だ。

現代向けリメイクではない——1984年のゲームをそのまま再現

収録されているのは、Elektronika 60上で動作したオリジナルの忠実な再現版だ。40年以上前の素朴なビジュアルと操作感がそのまま提供されており、グラフィックを刷新したリメイク版とは別物として捉えてほしい。

体感的に言えば、現代のNintendo Switch版テトリスや「テトリスエフェクト」とは根本的に異なる。洗練されたエフェクトも演出的なBGMもない。ブロックが落ちてくるだけの、最初期の手触りだ。それがこのバージョンの価値であり、後年登場した無数の派生作と一線を画すポイントでもある。

Vision Proを着けると「1980年代の日本アーケード」に転送される

Apple Vision Proを装着してRetrocadeを起動すると、プレイヤーは精巧に再現された1980年代の日本アーケードの仮想空間に置かれる。リアルなアーケード筐体の前に座り、当時の照明や雰囲気の中でゲームをプレイするような空間感覚は、Vision Proの空間コンピューティング機能を直接的に活用した演出だ。

ここで押さえておくべき点がある。テトリスの筐体は現時点でApple Vision Pro専用だ。RetrocadeのPac-ManやGalaga、Space Invadersなど多くのタイトルはiPhoneやiPadにも対応しているが、テトリスはVision Proでしか起動できない。つまりテトリスは、Retrocade内でVision Proならではの没入体験を示す看板タイトルとして位置づけられている。

Retrocadeで今すぐ遊べる全13タイトル一覧

今回のテトリス追加により、Retrocadeのラインナップは計13作品となった。

  • Asteroids
  • Bubble Bobble
  • Breakout
  • Centipede
  • Dig Dug
  • Frogger
  • Galaga
  • Haunted Castle
  • Pac-Man
  • Space Invaders
  • Tempest
  • Tetris(新規追加)
  • Track & Field

全タイトルはApple Arcadeのサブスクリプション(米国価格:月額6.99ドル)でプレイ可能だ。

Q&A

Q. テトリスをプレイするために必要なものは? Apple Vision ProとApple Arcadeへの加入(米国月額6.99ドル)の2点が必須だ。Vision Proを持っていてもApple Arcade未加入の場合は別途加入が必要になる。RetrocadeはApple Arcadeタイトルなので、加入すればPac-ManやGalagaなど他の12タイトルも追加費用なしで楽しめる。ただしRetrocadeのテトリスはVision Pro専用のため、iPhoneやiPadでの起動はできない。

Q. 収録テトリスはリメイク版ですか? いいえ。Elektronika 60上で動作した40年以上前のオリジナル版を忠実に再現したものだ。グラフィックを刷新したリメイクではなく、現代のテトリス派生作に慣れていると驚くほどシンプルな見た目と操作感になる。それがこのバージョンの「価値」でもある。

出典