「Vision Pro」の後継機が全てキャンセルされた可能性があるとGSMArenaが報じています。同時に、黒色のVision Proとされるプロトタイプ画像も流出。AppleのXR戦略が大きく転換する可能性を示唆するリーク情報を整理します。

黒モデルのVision Proとされる画像がリーク

Appleが黒色のVision Proヘッドセットを開発している可能性があるとされる画像がリークされたとGSMArenaは報じています。ただし、これが白モデルに続く正式な追加バリエーションとして発売されるのか、それとも開発過程でAppleが取りやめたプロトタイプに過ぎないのかは、現時点では明らかになっていません。

流出した画像はあくまで内部サンプルの可能性が指摘されており、量産品と仕様が異なる場合があります。最終製品の仕様は変わる可能性があるため、画像の存在をそのまま製品化の確証と読むのは早計です。

Ming-Chi Kuo氏の改訂ロードマップ——Vision Pro後継機は「at all」存在しない

Appleのサプライチェーンに精通したアナリストのMing-Chi Kuo氏が、Appleのスマートグラスおよびヘッドセットに関するロードマップを改訂したとGSMArenaは伝えています。Kuo氏は昨年に当初のロードマップを公開しており、今回はその修正版にあたるとされています。

改訂後の見立てでは、Vision Proの後継機は予定されていないとKuo氏は述べていると報じられています。原文では「at all(全く存在しない)」という強い表現が使われており、Kuo氏によると、Vision Pro系列のラインそのものが事実上開発中止になった可能性があるとされています。

今回の情報はサプライチェーンからの観測に基づくアナリストの見立てとして位置付ける必要があります。

「次期CEO」John Ternus氏がスマートグラス重視へ方針転換か

GSMArenaの報道によれば、Kuo氏はこの方針転換をAppleの「次期CEO」とされるJohn Ternus氏の判断によるものだと指摘していると伝えられています。Kuo氏によると、同氏はスマートグラスがVision Proよりも「greater mass-market potential(より大きな一般市場でのポテンシャル)」を持つと判断し、開発リソースをスマートグラス側に集中させたとされています。

マスマーケット向けである以上、価格帯もVision Proよりも抑えられたものになる可能性があると読めます。ただし、Apple自身がVision Pro系列の開発状況や次期CEO人事について公式に確認したわけではなく、あくまでKuo氏によるアナリスト観測として報じられている段階である点には注意が必要です。

2027年と2029年——2種類のApple Glasses投入の予測

Kuo氏のロードマップでは、Apple Glassesは段階的に投入される見通しとされています。

モデル投入予定特徴・位置付け
第1世代 Apple Glasses2027年(next year)に登場の見込みディスプレイ非搭載。Meta Ray-Banに対抗する位置付け
光学導波路(optical waveguides)モデル2029年に後ろ倒しの可能性当初予定からの遅延が指摘

第1世代は、スクリーンレスのMeta Ray-Banに対抗するモデルとして位置付けられているとKuo氏は予測していると報じられています。詳細な機能や仕様については現時点で明らかにされていません。

光学導波路(optical waveguides)を搭載するモデルは、当初予定からリリースが2029年にずれ込んだ可能性があると伝えられています。遅延の理由については公開情報の範囲では明らかにされていません。

このリーク情報の位置付けと読み方

今回の情報は、Apple公式の発表ではなく、アナリストのサプライチェーン観測と未公表画像のリークが中心です。以下の点を踏まえて読む必要があります。

  • 黒モデルの画像はプロトタイプの可能性も指摘されており、市販化されない可能性がある
  • Vision Pro後継機キャンセルはKuo氏の改訂ロードマップに基づく観測としてGSMArenaが報じているもので、Apple公式の確認はない
  • Apple Glassesの2027年・2029年というスケジュールも「expected to」「apparently slipped」レベルの予測で、確定情報ではない
  • John Ternus氏の「次期CEO」就任やスマートグラス重視の方針も、Kuo氏の観測としてGSMArenaが報じている段階であり、Appleが公式に認めたものではないとされています

Vision Pro系列の今後とApple GlassesへのピボットがAppleのXR戦略の中核となる場合、ハードウェア戦略における大きな転換点となる可能性があると読めます。一方で、ロードマップが今後さらに修正される可能性も十分に残されており、現時点ではリーク情報の段階と捉え、続報を待つのが妥当です。

Meta Ray-Banの圧倒的シェアが示すスマートグラス市場の急拡大

EssilorLuxotticaは2025年にMeta製AIグラスを700万台以上販売し、2023年と2024年の合計200万台から急増したとCNBCが2026年2月に伝えています。Counterpointの調査では、Metaは2025年下半期のスマートグラス出荷の約82%を占めたとされ、市場をほぼ独占している状況です。両社は2026年末までに生産を最大2,000万台へ倍増させる方針とも報じられています。

  • 2025年販売台数: 700万台超(前年までの累計の3.5倍)
  • 2025年下半期シェア: 約82%(Counterpoint調査)
  • 2026年末までの生産目標: 最大2,000万台

スマートグラス市場全体の規模も2025年の24.6億ドルから2026年に31.6億ドルへ拡大する見込みとされており、Kuo氏の指摘する「マスマーケット志向」の判断を裏付ける市場データが揃いつつあります。

Apple Glasses「N50」の4種フレーム検証とGurman観測との食い違い

Apple Glasses第1世代「N50」については、BloombergやEngadgetなどの報道で現在4種類のフレームデザインが社内テストされているとされています。検証中の主な仕様は次のとおりです。

項目内容
デザイン案Ray-Ban Wayfarer風/スリム矩形/オーバル/小型リファイン版
カラーブラック/オーシャンブルー/ライトブラウン
カメラ縦長オーバルレンズ2基(高解像度カメラ含む)
想定価格400〜500ドル
生産開始時期2026年12月の可能性

一方、BloombergのMark Gurman氏はVision Pro 2が依然「in testing」段階にあると主張しており、Kuo氏の「Vision Pro後継機は全く存在しない」とする見解とは食い違う観測を示しています。Gurman氏によれば、軽量・低価格版のVision Proも2028年後半〜2029年までは投入されない見通しとされています。

Q&A

Q. Vision Pro後継機のキャンセルは公式に発表されたのですか? 公式発表はされていません。Ming-Chi Kuo氏が改訂したロードマップに基づくアナリスト観測としてGSMArenaが報じているもので、Apple自身がVision Pro系列の開発状況を明らかにしたわけではありません。

Q. 黒モデルのVision Proは発売されるのですか? 発売されるかどうかは現時点で不明です。流出した画像はプロトタイプの可能性も指摘されており、Appleが実際に黒バリエーションを市販するかは確認されていません。

Q. Apple Glassesはいつ買えるようになりますか? Kuo氏の予測としてGSMArenaが伝えている内容では、ディスプレイ非搭載の第1世代が2027年、光学導波路搭載モデルが2029年に登場するとされていますが、いずれも確定情報ではなく予測の範囲にとどまります。詳細は出典元を参照してください。

出典