クロスプラットフォーム対応の共同視聴サービスを展開するRaveが、AppleをApp Storeからのアプリ削除を理由に提訴しました。Raveによれば、Appleは2025年8月にRaveアプリをApp Storeから削除した際、不正行為に関する詳細不明の申し立てとコンテンツモデレーションへの曖昧な懸念を理由として挙げたとされています。
Rave側はこの措置について、2021年に登場したAppleの共同視聴機能SharePlayとの競合を排除する狙いがあったと主張しています。同社は米国、カナダ、ブラジル、オランダ、ロシアの5カ国で反トラスト訴訟を提起しました。
2016年に設立されたRaveは、iOS、Mac、Android、Windowsで提供されてきましたが、Appleの措置以降はWindowsとAndroid環境に限定されています。Apple側は本件についてコメントを出していません。
Rave提訴の経緯とAppleへの主張
Raveは、共同視聴サービスを提供するクロスプラットフォーム企業で、2025年8月にAppleがApp StoreからRaveアプリを削除したことを受け、反トラスト訴訟を提起しました。Raveの説明によれば、Appleは削除の理由として「不正行為に関する詳細不明の申し立て」および「コンテンツモデレーションに関する曖昧な懸念」を挙げたとされています。
Rave側は、この削除措置がAppleの共同視聴機能SharePlayとの競合関係に起因すると主張しています。SharePlayは2021年に登場したサービスで、iPhone、iPad、Macのユーザー間で映画、テレビ番組、音楽を一緒に視聴しチャットできる機能だ。一方、SharePlayはAndroidおよびWindowsデバイスでは動作しないため、Raveはこれら異種プラットフォームをまたぐ共同視聴体験を提供できる立場にありました。Raveはこの違いこそが、Appleがスマートフォンの共同視聴市場を独占するためにRaveを排除する動機になったと位置付けています。
さらにRaveは、Apple側がRaveのMac版アプリをマルウェアとして誤って分類し、Macユーザーがインストールできない状態にしたとも訴えています。訴訟は米国、カナダ、ブラジル、オランダ、ロシアの5カ国で提起され、Raveが目指すのはiOSおよびmacOS版アプリの再公開と、App Storeからの削除に関連した損害賠償の回収です。Apple側は現時点でこの訴訟やアプリ削除についてコメントを出していません。
Raveのサービス概要と削除を巡る論点
Raveは2016年に設立され、離れた場所にいるユーザー同士が同じコンテンツを一緒に視聴できる機能と、視聴中の議論機能を組み込んだサービスを展開してきました。提供プラットフォームはiOS、Mac、Android、Windowsの4つでしたが、Appleの今回の措置を受け、現在はWindowsおよびAndroid環境に限定された状態となっています。
一方で、削除の背景にはRave側の主張だけでは説明しきれない要素も存在します。Reddit上の議論では、Raveにモデレーションされていない公開チャットルーム、ポルノコンテンツ、詐欺行為に関する問題、さらにCSAM(児童性的虐待コンテンツ)に該当する素材が存在したと指摘されています。加えて、RaveアプリはKaspersky、BitDefender、Windows、Googleからもマルウェアとしてラベル付けされていたと報告されており、Appleが競合排除以外の理由でユーザーを保護する根拠を持っていた可能性があります。
こうした批判を受けてか、Rave側は「業界をリードする」コンテンツモデレーション技術と年齢確認技術を新たに構築したと表明しており、これはAppleのコンテンツモデレーションに関する批判を先回りして封じる狙いがあると見られます。下表に主要なプラットフォーム対応状況を整理します。
| 項目 | Rave | SharePlay |
|---|---|---|
| 提供開始 | 2016年 | 2021年 |
| iOS/Mac対応 | 削除前は対応・現在は不可 | 対応 |
| Android/Windows対応 | 対応 | 非対応 |
クロスプラットフォーム共同視聴を巡る構造的論点
プラットフォーマーが自社の類似サービスを持つ領域で、競合アプリの審査・削除を判断する場合、その判断基準の透明性は常に問われやすいテーマと言えます。今回のように、競合排除の主張とコンテンツ安全性の懸念が同時に存在するケースでは、どちらの要素が実質的な決定要因だったのかを外部から判別することは難しいと見られます。
また、異なるOS間をまたぐ共同視聴ニーズは、家族や友人が異なる端末を使う現実を踏まえると一定の需要があると考えられ、こうしたクロスプラットフォーム型サービスがプラットフォーマーの囲い込み戦略とどう折り合うかは、今後も論点になりそうです。ユーザーにとっては、サービスの安全性と選択肢の多様性をどう両立させるかが重要な視点になると見込まれます。
ユーザータイプ別おすすめ度
| ユーザータイプ | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| iPhone・Macで共同視聴したいユーザー | × | Raveは現在iOS・macOSで利用不可、SharePlayが選択肢になります |
| AndroidとWindows混在環境で共同視聴したいユーザー | △ | Raveは現在も両OSで利用可能ですが、過去のモデレーション課題が指摘されています |
| 異種OS間の共同視聴をAppleエコシステムで完結したいユーザー | × | SharePlayはAndroid・Windowsに非対応のため要件を満たしません |
Q&A
Q. RaveはどのプラットフォームでまだAppleの措置後も利用できますか? A. Appleの削除措置以降、RaveはWindowsおよびAndroidデバイスに限定されて利用可能な状態となっています。iOSおよびMac版は削除されており、RaveはこれらOSでのアプリ再公開を訴訟で求めています。
Q. Raveはどの国で訴訟を提起しましたか? A. 米国、カナダ、ブラジル、オランダ、ロシアの5カ国で反トラスト訴訟を提起しました。目的はiOSおよびmacOS版アプリの再公開と、App Storeからの削除に関連する損害賠償の回収です。
Q. SharePlayとRaveの主な違いは何ですか? A. SharePlayは2021年に登場したAppleのサービスで、iPhone、iPad、Macに対応していますが、AndroidおよびWindowsでは動作しません。一方Raveは2016年設立で、iOS、Mac、Android、Windowsの4プラットフォームに対応していた点が異なります。
