ベゼルを「消す」のではなく、ベゼルが「見えないように錯覚させる」——これが、2027年の20周年記念iPhoneに向けてAppleが採用するかもしれないアプローチだ。著名リーカーのIce Universe氏が2026年4月27日にX(旧Twitter)へ投稿した内容がその可能性を示唆しており、9to5Macの筆者は「投機的な内容ではあるが、自分には説得力がある(it does seem to me to be plausible)」と評価している。Appleからの公式発表は一切ない。
ジョニー・アイヴの「ガラス一枚」構想——20年越しの答えが出るか
元Apple最高デザイン責任者ジョニー・アイヴ氏が描いた「iPhoneは一枚のガラス板であるべき」というビジョンは、同氏の退任後も設計思想として引き継がれていると広く信じられている。カメラ・スピーカー・センサーが物理的に存在する限り、文字通りの「ガラス一枚」は実現しない。しかし、Appleが2027年の20周年モデルでこの理想形に限界まで近づけようとしているという見方は、業界内で以前から根強い。
9to5Macは「ガラスと金属の共存は構造上避けられない」としながらも、カメラやセンサーの一部がディスプレイ下に埋め込まれる可能性に言及している。「ガラスの板」はAppleが目指す方向性を示す概念的な表現であり、物理的な現実の描写ではない——それでも、その概念が製品設計の羅針盤として機能し続けているという点が重要だ。
Ice Universe氏が示した「現実的な予測」——光学の魔法でベゼルを消す
Ice Universe氏の予測で最も興味深いのは、「ベゼルを工学的に除去する」のではなく「光学的に見えなくさせる」という発想の転換だ。従来型のクアッドカーブドディスプレイでも、Androidスマートフォンで広く採用されてきた湾曲スクリーンでもない、まったく異なるアプローチが取られる可能性があるという。
同氏によると、実際の湾曲は極めて微妙なレベルにとどまる。視覚効果の主役を担うのは「光学屈折・光導波構造・精巧に設計された視覚的錯視の組み合わせ」だとされており、これによってベゼルが視覚的にほぼ消えたように見えながら、端からの視認性は自然で乱れのない表示が実現される可能性があるという。体感として想像するなら、スマートフォンを正面から見たとき、画面がフレームの端ギリギリまで広がっているように映るが、側面から覗いても表示が歪んで見えない——そんな状態を指している。
投稿ではこのディスプレイが「Liquid Glass(液体ガラス)ディスプレイ」としてブランディングされる可能性も言及され、外観のイメージ画像も添付されている。ただしこれはあくまでIce Universe氏の主張であり、Appleがこの名称を公式に使用したという情報は現時点で確認されていない。
視覚的錯視はAppleの得意技——Apple Watchが20年前に証明した手法
「光学的なごまかし」と聞くと眉をひそめる人もいるかもしれないが、Appleはすでにこの手法で成功を収めている。9to5Macが指摘するように、初代Apple Watchがその先例だ。ディスプレイの黒い背景と光沢ある黒いガラスベゼルを融合させることで、実際よりもベゼルが細く見える錯視効果を生み出した——あの設計が、今回の予測と同じ発想の延長線上にある。
この一貫性こそが、9to5Macの筆者がIce Universe氏の投稿を「説得力がある」と評価した理由だ。「製造面では既存の生産技術を活用できる現実的な手法でありながら、20周年という節目に相応しいインパクトを生み出せる内容」という評価は、単なる期待感ではなく、Appleの設計哲学の文脈から導き出された判断と言える。
一方でMacworldは同投稿を「かなり投機的な内容(rather speculative)」と位置づけており、9to5Macの筆者自身も、この評価を踏まえたうえで「それでも自分には説得力がある」と述べている。情報の性質を正直に示した表現であり、過信は禁物だ。
Q&A
Q. 20周年記念iPhoneはいつ発売される予定ですか? 2027年に発売されると広く信じられていると9to5Macは伝えているが、Appleからの公式発表はなく、現時点では予測の域を出ない。購入を検討しているなら、まず2026年モデルを評価したうえで、2027年の公式発表を待つのが現実的な判断だ。
Q. 「Liquid Glassディスプレイ」は実際にどう違うのですか? Ice Universe氏の主張に基づけば、物理的な湾曲を最小限に抑えながら、光学屈折と視覚的錯視によってベゼルをほぼ見えなくする技術だ。ユーザーが体感できる変化としては、「画面がフレームの端まで広がって見える」という没入感の向上が最も大きいと考えられる。ただしAppleがこの名称を公式に採用したという確認はない。
Q. この情報はどこまで信頼できますか? Ice Universe氏は複数のApple製品情報を事前に的中させてきた実績を持つリーカーだが、今回の内容についてMacworldは「かなり投機的」と評価しており、信頼性は限定的だ。Appleによる公式確認が出るまでは、可能性のひとつとして受け止めるのが適切な距離感だ。
Appleの20周年という節目がどんな製品として結実するか——続報を待ちながら、その答えを楽しみにしたい。
