Apple WalletとGoogle Walletに先行されていたデジタルパスポート領域に、ついにSamsungが追いついたと報じられています。Android Authorityによれば、Samsung Walletに米国パスポートをデジタルIDとして登録できる機能が追加され、2026年5月26日付けで公表されました。利用範囲は米国国内線の本人確認に限定されており、物理パスポートを完全に置き換えるものではないとされています。これは米国市場向けの動きですが、Walletアプリへの公的ID搭載という大きなトレンドの一里塚として、日本のテック読者にとっても押さえておきたい話題です。

Apple・Googleに追いついたSamsung、提携先は空港でおなじみのClear

Android Authorityの報道によれば、Samsungは2026年5月26日付けで自社ブログにて、Samsung Walletへのデジタルパスポート対応を発表しました。米国パスポートをSamsung Walletに追加できるようになるとされています。

提携先のClearは、空港のTSA(運輸保安庁)レーンで頻繁にフライヤー向けに営業を展開していることで知られる、民間の旅行書類認証サービスです。Samsung Walletは、このClearの認証基盤を活用してデジタルパスポート機能を提供するとAndroid Authorityは伝えています。

なおAndroid Authorityは、本機能はApple WalletやGoogle Walletが既に提供してきた領域であり、Samsungが競合に追いつくかたちでの実装になると指摘しています。両Walletの具体的な実装方式やClearとの関係については、今回の報道では詳しく触れられていません。

使えるのは米国国内線のみ、国際線は対象外

デジタルIDは、物理的な身分証明書を持ち歩く必要をなくすという理想を掲げる仕組みです。しかし現実には、用途ごとに制約があります。

  • 米国の一部空港で、国内線の本人確認用IDとして利用可能
  • 国際線の渡航には利用できず、物理パスポート冊子の携帯が必須
  • 国内線利用時も、受理可能な紙のIDを別途持参することが推奨される

Samsung自身もこの制約を認めており、発表文では、Walletの新機能によって旅行者は物理IDを「カバンの中にしまっておける(leave their physical IDs in their bag)」ようになるとしており、「家に置いてくる(leave them at home)」ことはできないと明記されています。

国内線中心の利用者にとっての実用価値と、日本ユーザーが注目すべき点

米国内のフライトを頻繁に利用するユーザーにとっては、スマートフォン1台で搭乗券とIDの両方を提示できる利便性は無視できません。空港カウンターやセキュリティチェックでスマートフォンを取り出すだけで本人確認が完結する場面が増えるため、手続きの簡素化につながると見られます。

ただし、デジタル版が読み取れない・受理されないケースに備えて、物理IDの携帯は引き続き必須です。米国外への渡航では従来通り物理パスポートが必要になる点も変わりません。

日本のユーザーにとって直接の対象機能ではありませんが、Walletアプリへの公的ID搭載の流れは、今後の決済・本人確認体験を変えていく可能性のある重要な動きです。米国でSamsung・Apple・Googleの主要3 Walletが揃ってデジタルパスポートに対応していくなかで、日本のパスポートやマイナンバーカードといった公的IDがどのようにモバイル端末と連携していくかは、今後の注目ポイントといえるでしょう。

現時点では米国版Samsung Walletを対象とした機能とされており、日本国内での利用可否や日本のパスポートへの対応については、明らかにされていません。米国出張・旅行を頻繁に行うユーザーは、Clearアカウントを既に持っているかどうかも含めて、設定を試してみる価値のあるアップデートと言えるでしょう。

Q&A

Q. Samsung WalletのデジタルパスポートはどのSamsung端末で使えますか? 報道では対応機種の具体的な限定は明示されていません。ただし米国向けSamsung Walletで提供される機能とされているため、米国版アカウントとClearとの連携が前提になると見られます。米国版アカウントを利用しているユーザーは、Walletアプリの更新と設定画面を確認するのが手早い確認手段です。

Q. このデジタルパスポートで海外旅行はできますか? できません。国際線の渡航には引き続き物理パスポート冊子が必要です。米国国内線の本人確認用途に限定されており、国内線利用時も受理可能な紙のIDの携帯が推奨されます。

Q. Apple WalletやGoogle Walletとの違いはありますか? Android Authorityは、今回の追加によってSamsung WalletがApple/Google両Walletに追いついた形だと報じています。両Walletの具体的な実装方式(Clearの利用有無や対応路線の範囲)については今回の報道では詳しく触れられておらず、Samsung Wallet自体は米国国内線の本人確認用IDとしての利用に限定されているとされています。

出典