前年比7%減、出荷約80万台、米国シェア3%——調査会社Omdiaの最新レポートが示したGoogle Pixelの2026年第1四半期(Q1)の数字です。9to5Googleによると、Pixelは米国市場で4位のポジションは維持したものの、前年同期から出荷を落としました。米国市場全体の動きとPixelの立ち位置を整理します。

Q1 2026の米国市場——全体で3%減、伸びたのはMotorolaのみ

Omdiaの集計によれば、2026年Q1の米国スマートフォン市場は前年同期比で約3%縮小しました。トップ5の中で唯一プラス成長となったのはMotorolaで、他の上位ブランドは軒並み出荷を落としています。

メーカーQ1 2026出荷米国シェア前年比
Apple1,990万台60%-3%
Samsung790万台24%-5%
Motorola360万台11%+18%
Google Pixel約80万台3%-7%

Appleは前年比3%減ながらも60%という首位シェアを保っています。SamsungはGalaxy S26シリーズが人気と伝えられているにもかかわらず、出荷は5%減の790万台、シェアは24%という結果でした。

Pixel 10シリーズが9シリーズの勢いに届かず——10aで一部相殺

Google Pixelの出荷台数は、2025年Q1の約90万台から2026年Q1には約80万台へと減少しました。米国市場における4位のポジションは保ったものの、シェアは引き続き3%程度の水準で推移しています。

Omdiaは、Pixelシリーズの動向について次のように分析しています。

Google shipments fell 7% year over year in Q126, as the Pixel 10 series failed to replicate the momentum of the Pixel 9 lineup a year earlier. The earlier launch of the Pixel 10a helped offset some of the decline, while aggressive carrier promotions remained central to Google's strategy to expand Pixel demand beyond its core premium user base.

ポイントは次の3点です。

  • Pixel 10シリーズが前年のPixel 9シリーズのような勢いを再現できなかった
  • Pixel 10aの早期投入によって減少分の一部を相殺できた
  • プレミアム層を超えた需要拡大のため、キャリア各社のプロモーションを積極活用している

Pixelの米国シェアは引き続き小さく、米国市場全体に占める割合はわずか3%という水準にあります。

Motorolaが18%増で唯一の成長——Moto Gシリーズが出荷の70%を牽引

トップ5の中で唯一プラス成長となったMotorolaは、2025年Q1の300万台から2026年Q1には360万台へ18%増加し、シェアも11%まで拡大しました。

成長を牽引したのは最新のMoto Gシリーズ(価格改定前のモデル)で、Motorolaの当四半期出荷の70%を占めたとされています。米国の廉価帯需要を取り込んだ結果と言えそうです。

Pixelの米国不振は本当か——数値の信頼性を確認する

データをさらに細かく見ると、米国は世界全体の傾向とは異なる動きを示しています。プレミアム機が伸びている地域もある中、米国で唯一成長したのは$300未満(約4万7千円未満)のセグメントだけでした。

  • 廉価帯($300未満/約4万7千円未満): 成長
  • 中位帯($300〜599/約4万7千円〜9万4千円): 前年比19%減
  • フラッグシップ帯: ほぼ横ばい

中位帯が前年比19%減という米国特有の傾向は、9to5Googleによって市場の動向として整理されています。

今回の数値はOmdiaという調査会社による出荷推計であり、Googleなどメーカーの公式販売実績ではありません。「約80万台」「約90万台」という表現も概算であり、最終的な実数とは異なる可能性があります。

ただ、PixelシリーズがGoogleの本拠地である米国で前年を割り込んだという報告は、Pixel 10シリーズの立ち上がり方や今後の販促戦略に影響する可能性があります。現時点では「米国市場でPixelの伸びが鈍化したと報告されている」と捉え、第2四半期以降の続報を待つのが妥当です。

米国市場縮小の背景——価格帯の二極化と通年4%減予測

Omdiaの集計では、米国スマホ市場のQ1 2026出荷総数は約3,340万台で前年同期から3%減少しています。同社は2026年通年でも米国市場が4%縮小すると予測しています。

価格帯別に見ると市場の二極化が進行しています。

価格帯Q1 2026 前年比
$300未満+8%
$300〜599-19%
$600〜700-6%
$800以上(プレミアム)-1%

プレミアム帯と低価格帯が現状の市場環境に対して比較的耐性を示す一方、中位帯の落ち込みが顕著です。

背景要因として、トランプ政権の輸入関税を見越した2025年Q1の在庫積み増しの反動、メモリチップ価格の継続的な上昇による購入鈍化、新機種ローンチ遅延が指摘されています。実際、Galaxy S26シリーズの発売が2025年比で約1か月遅れとなった結果、プレミアム需要はiPhone 17シリーズへ流れ、同シリーズはApple出荷全体の70%を占めました。

Motorola躍進を支える二本柱——折りたたみ約半数シェアとMoto G新製品群

Motorolaの18%増は廉価帯Moto Gだけでなく、上位カテゴリーでの存在感拡大にも支えられています。同社は予算価格帯を超えた展開を進めており、現在では米国の折りたたみスマホ販売の約半数を握るまでになっています。Moto Gが数量を支えつつRazrシリーズが上位帯へ移行する二本柱アプローチは、過去の米国市場低迷期にも機能してきた構成です。

2026年のMoto Gラインアップでは、以下の新製品が登場しています。

  • Moto G Power (2026): 1月8日発売、約5200mAhバッテリーで最大2日間の駆動を見込む長時間モデル
  • Moto G Stylus (2026): 4月発売予定のスタイラス搭載モデル

また流通面では、キャリアおよびプリペイドチャネルが4月の価格改定を前に在庫の前倒し調達を行ったことも、Q1の数値を押し上げた一因となっています。値上げ前の駆け込み需要という側面もあるため、Q2以降の継続的な成長が維持できるかが焦点です。

Q&A

Q. Pixel 10aは米国で売れていないのですか? Omdiaは、Pixel 10aの早期投入が出荷減少分の一部を相殺したと述べています。今四半期の落ち込みはPixel 10シリーズ全体が前年Pixel 9シリーズの勢いに届かなかったためとされており、Pixel 10a単体が不振だったわけではないと読み取れます。

Q. Galaxy S26は人気と報じられているのに、なぜSamsungの出荷は減ったのですか? Omdiaは出荷5%減・790万台という数字を提示していますが、その理由までは明示していません。米国市場全体が3%縮小していること、$300〜599帯が19%減という中位帯不振が同時に起きていることを踏まえると、Galaxy S26シリーズの評判とは別の市場要因が働いている可能性があります。

出典