Lenovoが14インチノート「Yoga Slim 7i Ultra Aura Edition (Gen 11)」のレビューでWindows Centralから高評価を得ました。重さわずか975g、バッテリー駆動18時間超という旅行者向けに極めて魅力的なスペックを備える一方、米国版ではCPU選択肢が限定され、CES 2026での発表時から価格が大幅に上昇している点が指摘されています。

975g・18時間超バッテリーが光るPanther Lake搭載機

レビュー機の最大の強みは、徹底した軽量化と長時間駆動です。マグネシウム・アルミ合金シャーシを「thixomolding」プロセスで成型し、14インチクラスとしては異例の 2.15lbs / 975g を実現しています。比較対象として挙げられるASUS Zenbook A14(2.18lbs)やApple MacBook Air M5 13インチ(2.7lbs)を下回り、Windows Central史上もっとも軽い14インチWindowsノートのひとつと評されています。

PCMark 10の生産性アプリ常用および動画再生をエミュレートしたテストで 18時間超 を記録しており、x86-64ノートとしては驚異的な数値です。これはIntelの新世代「Panther Lake」こと Core Ultra Series 3 の電力効率の高さを示すものとされています。

主要スペックは以下の通りです。

項目仕様
CPUIntel Core Ultra 7 355
RAM32GB LPDDR5X-7467MT/s
GPUIntel Graphics(統合)
ディスプレイ14インチ 16:10 2.8K (2880×1800) OLED タッチ 120Hz
ストレージ1TB SSD M.2 2242 PCIe Gen4
バッテリー / 充電器75Whr / 65W USB-C
重量975g

ディスプレイは2.8K OLEDで、コロリメーター測定では非HDR時に 511 nits、輝度74%設定で約250 nitsという快適な明るさを実現。色域はsRGBとP3で100%、AdobeRGBは87%と報告されています。5.5インチのガラス製ハプティックタッチパッドと1.5mmキーストロークも、入力感の良さに貢献しているとされます。

米国版はCore Ultra 7 355のみ、英国版は上位X9まで選択可能

レビューで強く批判されているのが、米国市場でのCPU選択肢の少なさです。米国のLenovoストアでは Core Ultra 7 355 の1択である一方、英国では £2,010(約39万円) から販売され、Core Ultra 5 325・Core Ultra 7 355に加え、上位の Core Ultra X9 388H(統合GPUがIntel Arc B390にアップグレード)を £250(約4万8千円) 追加で選べる構成になっています。

Lenovo自身がAura Editionを「standout design, uncompromised power」とうたい、「ゲーミング向けに優れた性能を発揮するよう設計」と謳っているにもかかわらず、米国版に搭載されるCore Ultra 7 355の統合GPUでは、Cyberpunk 2077が最低設定でも平均 26 FPS にとどまり、Counter-Strike 2は1680×1050の最低設定で60 FPSを安定維持できず、CPU温度は 95°C まで上昇したと報告されています。レビュアーのBen Wilson氏は「このデザインと謳い文句に見合うのは少なくとも Core Ultra X7 358H であるべき」と評しており、米国買い手は上位構成にアクセスできない不公平感が残ります。

なお、Core Ultra 7 355自体は前世代の「Lunar Lake」搭載機(Yoga Slim 9i Gen 10、Slim 7i Aura Edition Gen 9)と同等以上の性能を見せる一方、2世代前の「Meteor Lake」Core Ultra 155Hを搭載するSlim 7i (Gen 9) には及ばないケースもあるとされています。ただしSlim 7i Gen 9は当時約 $1,240(約19万円) だった機種であり、世代間の直接比較は難しいとも補足されています。

CES 2026から価格上昇、$1,889.99まで値上がり

価格動向もレビューで強く取り上げられています。LenovoはCES 2026での発表時に開始価格を 「estimated $1,499.99(約23万円)」 と提示していましたが、レビュー執筆時点では構成済みモデルが $1,889.99(約29万円) まで上昇しており、執筆中にもさらなる値上げが行われたとされています。

「Build Your PC」オプションでは以下のアップグレードが可能と報じられています。

  • Windows 11 Home → Pro: +$50(約8千円)
  • 1TB → 2TB ストレージ: +$190(約3万円)
  • 両方を選択した場合の最大構成は $2,129.99(約33万円)

CES発表時の「estimated」価格からは約 $390(約6万円) の上昇となり、Wilson氏は「$1,629.99(約25万円)への上昇までは受け入れられたが、$1,889.99 になると米国版のCPU選択肢の限定が受け入れがたくなる」とコメントしています。

I/Oの割り切りとプリインストールソフトが弱点

軽量シャーシに収めるためのトレードオフとして、I/Oは大胆に削られています。USB-A、HDMI、ヘッドホンジャックはすべて非搭載で、Thunderbolt 4 USB-C×3(45–65W PD、DisplayPort 2.1対応)のみという構成です。専用ACアダプターを必要としないのは利点ですが、USB-A機器を使うにはハブや変換ケーブルが必須となります。

ソフトウェア面では、McAfeeとWebAdvisor by McAfeeのプリインストール、スタートメニューのDropboxプロモーションやAdobe Creative Cloud広告、タスクバーにピン留めされたLenovo Subscription Marketplaceのウェブショートカットなど、依然として「bloat」が残っていることが指摘されました。すべてユーザー操作で削除可能ですが、この価格帯の製品としては残念な点とされています。

競合は同社のSnapdragon X2 Elite搭載機

レビューが指摘するもう一つの注目点が、Lenovo自身の Yoga Slim 7x (Gen 11) との競合関係です。Qualcomm Snapdragon X2 Eliteを搭載するWindows on ARM機で、開始価格は $1,099.99(約17万円) からとされています。ハプティックタッチパッド、120Hzリフレッシュレート、超軽量シャーシといったSlim 7i Ultra Aura Editionならではの魅力を諦める必要はあるものの、価格差を考えると米国の購買層を引き寄せる可能性が高いとされています。

頻繁に出張するユーザーで「14インチクラスで最軽量級のWindowsノート」「終日持つバッテリー」を最優先するなら、Yoga Slim 7i Ultra Aura Edition (Gen 11) は有力な選択肢です。一方、グラフィック性能を重視する、あるいはUSB-Aや有線ヘッドホンを変換アダプターなしで使いたい用途では避けたほうがよい、というのがレビューの結論です。米国版は上位CPUの追加投入や価格再調整がない限り、購入は急がず動向を見極めるのが妥当でしょう。

Panther Lake世代の技術的背景 — Intel 18A初採用とXe3グラフィックス

本機が搭載するCore Ultra Series 3は、単なる世代更新ではなく、Intelの製造技術における転換点に位置づけられています。CES 2026で発表されたPanther Lakeは、新しいアーキテクチャを伴うと同時に、Intelが長らく期待を寄せてきたIntel 18Aプロセスノードのデビューでもあります。14のSKUが1月27日から市場投入されます。

アーキテクチャ面の特徴は以下の通りです。

  • 最大16コア(4P+8E+4LP-E構成)、12基のXe3統合GPUコア、LPDDR5X-9600対応
  • プラットフォーム合計最大180 TOPS(GPU 120 + NPU 50)のAI演算性能
  • Xe3大型タイル搭載モデルはLPDDR5X-7467以上でIntel Arc B390/B370としてブランド表記

IntelはLunar Lake比でマルチスレッド最大60%、ゲーミング性能最大77%の向上を主張しています。米国版Slim 7i Ultraに搭載されるCore Ultra 7 355は標準GPUタイルにとどまるため、本来のXe3の真価が問われる構成は上位のX9 388Hに集中している格好です。

米国販売開始と兄弟機の存在 — 選択肢としてのSlim 7x

英国先行で展開されていた本機ですが、米国市場での状況にも進展がありました。Yoga Slim 7i Ultra Aura Editionは英国に続き米国でも販売が開始され、開始価格は$1,629.99です。CES 2026で言及されたCore Ultra X9 388H(Intel Arc B390 iGPU搭載)構成の米国投入は、2026年4〜6月の間に予定されています。

米国版の周辺仕様と兄弟機

本体側のスペックでは、I/Oは3基のThunderbolt 4、無線はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応し、冷却はPanther Lake CPUを40W TDPで動作させる設計です。カラーはSeashell、Cosmic Blue、Mystic Violetの3色から選択できます。

価格に納得できない買い手向けに、Lenovo自身が用意する有力な代替案も存在します。Qualcomm Snapdragon X2 Elite搭載のYoga Slim 7x (Gen 11) は、x86-64ベースの本機に対するWindows on ARM版として位置づけられ、$1,099.99から購入できます。Intel構成にこだわらなければ、同じLenovo内で約$500安い選択肢が用意されている点は、本レビューの価格批判を補強する材料といえます。

Q&A

Q. Yoga Slim 7i Ultra Aura Edition (Gen 11) の重さとバッテリー駆動時間は? 重量は約2.15lbs / 975gで、14インチWindowsノートとしては最軽量級です。PCMark 10の生産性および動画再生テストで18時間超のバッテリー駆動が確認されています。

Q. 米国版と英国版で何が違う? 米国版はCore Ultra 7 355の1択ですが、英国版は£2,010からでCore Ultra 5 325、Core Ultra 7 355に加え、Intel Arc B390統合GPUを搭載する上位のCore Ultra X9 388Hまで選択できます。

Q. ゲーミングには使える? レビュー機(Core Ultra 7 355、統合Intel Graphics)ではCyberpunk 2077が最低設定で平均26 FPS、Counter-Strike 2が1680×1050最低設定で60 FPSを安定維持できず、CPUは95°Cに達したと報告されています。本格的なゲーミング用途には適しません。

出典