Googleが2019年にAndroidへ実装した割り勘機能を、Appleが約7年遅れでiPhoneに投入する——そんな構図の報道が出てきました。AppleはiPhone向けに、領収書を撮影して項目を割り振り、支払いリクエストを自動生成できる「割り勘」機能を開発していると報じられています。今秋のiOS 27で搭載される可能性があり、6月開催のWWDCで発表される見込みです。LINEで送金するときの「金額入力→相手選択→送信」より工程が少なくなる可能性があり、Apple Cashを使う米国ユーザーには日常的なインパクトが大きい変化になりそうです。
Apple Cash連携の割り勘機能、開発中と報じられる
Android Authorityによると、AppleがiPhone向けに新たな金融機能として、ディナーやイベントなどの費用を割り勘できる仕組みを開発しているとされています。具体的なフローは次のとおりです。
- 領収書を撮影
- 各項目を個人に割り当て
- 支払いリクエストを自動生成
機能はApple Cashと連動し、Walletアプリ内またはMessages経由でアクセスできるとされています。決済までを一気通貫で完結させる設計と読め、すでにApple Cashを日常的に使う米国ユーザーには親和性の高い仕組みになりそうです。
なお、Apple Cashは現状米国向けのサービスであり、日本での提供範囲は現時点で明らかにされていません。PayPayやLINE Payの送金に慣れた日本ユーザーにとっては、直接的な恩恵は限定的になる可能性があります。
WWDCで発表、iOS 27搭載の可能性
報道では、Appleはこの機能を**Worldwide Developers Conference(WWDC)**で発表する計画とされています。実際の提供は秋のソフトウェアアップデートとなり、iOS 27の一部として展開される見通しと伝えられています。
あくまで「reportedly(と報じられている)」レベルの情報であり、Apple公式からの発表は現時点ではありません。WWDC基調講演での正式公表があるかが直近の注目点です。
加えて同記事では、Walletアプリの新機能としてイベントやジム向けの「デジタルパス」を作成できる機能にも触れられています。こちらもAppleが取り組んでいる可能性があるとの言及にとどまっており、詳細は明らかにされていません。
Googleは2019年にLensへ実装、約7年遅れの追随
同記事では、Googleが2019年にGoogle Lensへレシートをスキャンしてチップを計算したり、他者と割り勘したりできる機能を導入していた点が指摘されています。Appleが同等の機能をiPhoneにもたらすのは、約7年遅れての追随という形になります。
機能単位で見ればAndroid側が先行していたものの、Apple Cash・Wallet・Messagesが一体化された決済導線に組み込まれる点はApple独自の強みになり得ます。Lensのスキャン→計算で止まっていた体験を、決済リクエストの送信までシームレスにつなぐ設計と読めるためです。
ただし、現時点では発表前の報道段階であり、機能の具体的な動作や対象地域・対応モデルは確定していません。WWDCの発表内容を踏まえて判断するのが妥当で、続報を待ちましょう。
Apple Watchからの承認とwatchOS 27搭載が判明
今回報じられた割り勘機能は、iPhoneだけでなくApple Watchからも支払いリクエストを承認できる設計とされています。Bloombergが2026年6月1日に伝えた内容によれば、デジタル化されたレシート上で項目をタップまたは選択して参加者ごとに割り当てる方式で、税金(tax)やチップ(tip)の分担まで含めて自動計算できるとされています。
watchOS 27にも組み込み、9月正式提供の見込み
同機能はiOS 27と並行してwatchOS 27にも組み込まれるとされ、対応Apple Watchから支払い可否を直接判断できる流れになる見込みです。watchOS 27は2026年6月8日のWWDC基調講演でiOS 27と同時に披露され、開発者向けベータは基調講演直後、一般向けの正式提供は9月と報じられています。watchOS 27全体としては「安定性、パフォーマンス、細部の改善」が中心になるとされており、割り勘のような実用機能の追加が数少ない目玉として位置付けられます。
米国送金アプリ市場とAppleが狙う「項目単位」の空白
米国の送金アプリ市場では、すでに割り勘ニーズが激しい競争領域となっています。Venmoでは「split bill」が最も利用される機能とされ、2025年に約1億ユーザーへ到達する見込みで、2026年には1億500万人まで拡大する予測が示されています。Cash Appも月間アクティブユーザー5,500万人を超え、Venmoを上回る成長軌道にあるとされています。
既存大手は「合計額の分割」止まり
機能面では、Venmo GroupsとSplitwiseのいずれもレシートの項目単位での分割には対応しておらず、合計額を均等または任意の比率で割るだけにとどまるとされています。レストランの伝票を「誰が何を頼んだか」のレベルで処理できる仕組みは、splittyのような専門アプリ以外にはほぼ存在しません。Appleが項目別の自動割り当てまで踏み込むのは、既存大手が手付かずだったこの空白地帯を取りに行く構図と読み取れます。
Q&A
Q. なぜAppleはこの機能でこれほど遅れたのでしょうか? 背景の詳細は公表されていません。ただ、AppleはApple Cash・Wallet・Messagesの決済導線を米国中心で段階的に拡張してきた経緯があり、後発であっても自社決済との一体化に踏み込んだ点が今回の特徴と読めます。
Q. 日本ユーザーにとって何が変わりますか? 本機能はApple Cashと連動するとされており、Apple Cashは現状米国向けのサービスです。日本での提供範囲や対応時期について、現時点では明らかにされていません。日本ではPayPay等の送金アプリが普及しているため、当面は影響が限定的になる可能性があります。
Q. Googleの類似機能との違いは何ですか? Googleは2019年にGoogle Lensでレシートのスキャンとチップ計算・割り勘ができる機能を導入しました。Apple版は撮影から項目の割り当て、支払いリクエストの生成、Apple Cashでの決済までをWalletアプリやMessages内で完結させる点が特徴とされています。
Q. WWDCでサプライズ発表はあり得ますか? WWDCはiOSの大型アップデートを公開する場として位置付けられており、本機能が正式に披露されるかが注目点です。ただし発表内容はApple公式の基調講演まで確定しないため、続報を待つ必要があります。
