GoogleがPixel向けに「Good Lock」相当の純正カスタマイズツールを提供していない状況に対し、Android Authorityのレビュアーがオープンソースアプリ「Essentials」を発見し、常用するようになったと報告しています。SamsungのGood Lockほどの機能網羅性はないものの、Pixelユーザーが手の届きにくかった細部のチューニングを一括で扱える点が評価されています。

Pixelに「Good Lock相当」をもたらすオープンソースアプリ

Essentialsは、GitHubの説明で「Pixelやその他のAndroid向けのツール・モッド・回避策のコレクション」と紹介されているオープンソースアプリです。Android Authorityによると、レビュアーはGalaxy S24 FEとPixel 8の両方で試した結果、Google製端末でこそ真価を発揮するとしています。

Good Lockがモジュールを個別にインストールする方式であるのに対し、Essentialsはすべての機能をひとつのアプリにまとめ、カテゴリや機能別に整理しているのが特徴です。同記事では、機能を一括で扱えるアプローチが取っつきやすさにつながると評価されています。

Dynamic Night LightとNotification Lightingが代表機能

Essentialsの代表的な機能として紹介されているのが、Dynamic Night LightとNotification Lightingです。

Dynamic Night Lightは、GoogleがPixelで提供するNight Lightのオン/オフを、アプリ単位で制御できるようにする機能です。カメラ・ギャラリー・VLC・ストリーミング系アプリではNight Lightを無効化し、それ以外のアプリでは有効のままにする、といった使い分けが可能になります。レビュアーはPixel 8での体感的な使い勝手に寄与する機能だと評価しています。

Notification Lightingは、SamsungのEdge Lighting相当の通知表現をPixelに移植する機能です。通知到着時に画面に光のエフェクトを表示したり、ステータスバーにGoogleのローディングアニメーションを出したりできます。パルス回数やカラーモードなど細かな調整も用意されています。

クイック設定タイル・自動化・アプリ凍結まで一気通貫

Essentialsはこのほかにも、開発者向け設定に埋もれがちな項目を表に出す機能を備えています。

  • 表示フレームレートのアプリ別上限設定
  • ディスプレイスケーリングやアニメーション関連の調整
  • Pixel 10のマップ省電力モードを他のAndroid端末に移植する機能(ただし、レビュアーの端末では動作しなかったと明記されています)
  • クイック設定タイル: Developer Optionsへの直行タイル、UI Blurトグル、Private DNSタイルなど

レビュアーはPrivate DNSタイルについて、もう手放せない機能の一つだと評価しています。

加えて、PixelのModesに対する自動化レシピを作成できるAutomationsセクションや、バックグラウンド起動を制限してバッテリーやパフォーマンスのオーバーヘッドを取り戻すためのFreeze Appsセクションも用意されています。Good LockのRoutines+ほど大胆な拡張ではないものの、Pixel既存機能のアクセシビリティを引き上げる位置づけとして触れられています。

権限の広さとシステム改変リスクは要注意

Essentialsは万能ではない、と同記事は明確に注意を促しています。Good Lockほどの機能網羅性を期待するユーザーには向かないとされ、また機能の一部は書き込み権限やアクセシビリティ権限を要求します。

Pixel 10のマップ省電力モードや一部のクイック設定タイルなど、Androidの隠し機能を引き出す系の機能はShizukuを別途必要とします。Essentialsはシステム設定を変更しうるため、リスクを理解したうえで扱うべきツールとされており、Good Lockも同様にシステム深部へ手を入れる一方、公式プロダクトであるぶんリスクが小さく取り消しもしやすいと指摘されています。

それでも入れる価値はあるか

Android Authorityは、Pixelに公式のGood Lock代替が必要であることを、Essentialsが逆説的に浮き彫りにしていると総括しています。レビュアーはオープンソースアプリの中でも真っ先にPixelへインストールするアプリの一つになったと述べ、いくつかの機能はもはや手放せないとしています。

Pixelのカスタマイズ余地に物足りなさを感じているユーザーや、Galaxyから乗り換えてGood Lockのような細部チューニングが恋しくなっている層にとっては、リスクを理解したうえで試す価値のあるアプリと言えます。一方で、システム改変や権限要求に抵抗があるなら、Googleからの公式対応を待つ判断も妥当でしょう。

Samsung Good Lock、One UI 8で追加された4つの新モジュール

Samsungは2026年のOne UI 8登場に合わせてGood Lockへ新モジュールを追加しています。報道によれば、追加された主なモジュールはDropship、RegiStar 2.0、Pentastic、Wonderlandの4種類です。

  • Dropship
  • RegiStar 2.0
  • Pentastic
  • Wonderland

既存モジュールにも更新が入り、LockStarには「Swirl」と呼ばれる新しい画面解除アニメーションが追加されました。QuickStarでは、クイック設定タイルの表示数やサイズを変更できる新オプションが順次導入される予定とされています。さらにSamsungは、One UI 9.0で動作確認済みのGood Lockモジュール一覧を公式に公開しています。これにより、ユーザーは自分が利用しているモジュールが次期OSでも引き続き使えるかを事前に把握できるようになっており、アップデート時の混乱を抑える狙いがうかがえます。Pixel向けのEssentialsが「一つのアプリに機能を集約する」アプローチを採るのに対し、Good Lockは個別モジュール単位で公式互換性が明示される構造を維持しています。

高度な機能を支えるShizukuの2026年時点の仕様

Shizukuについて、2026年中盤時点の最新版は2025年7月3日公開の13.6.0(build r1091)であり、Android 16 QPR1への対応が追加されています。同バージョンでは、Android 13以降の端末で信頼済みWi-Fiに接続中であればルート権限なしで自動起動する機能も加わりました。

Android 11以降は無線デバッグ経由でPC不要のセットアップが可能ですが、端末を再起動するたびにペアリング手順を再実行する必要があります。

加えて、バックグラウンド維持のためバッテリー消費設定を「制限なし」にすることが推奨されています。再起動ごとのペアリングはOS側の仕様上の制約として残っているため、頻繁に端末を再起動する運用では手間が増える点に留意が必要です。Essentialsの一部機能やクイック設定タイルがShizukuを前提としていることを踏まえると、こうした自動起動や無線デバッグ周りの改善はPixelユーザーにとっても日常的な利便性に直結する変更だと言えます。

Q&A

Q. EssentialsはPixel以外のAndroid端末でも使えますか? 開発者によるとほとんどのAndroid端末で動作するとされており、Android AuthorityのレビュアーはGalaxy S24 FEとPixel 8の双方で試しています。ただし、Google製端末のほうがより有用に感じられると評価しています。

Q. 利用にあたって特別なツールが必要ですか? 機能によって異なります。書き込みやアクセシビリティの権限が必要なほか、Pixel 10のマップ省電力モードや一部のクイック設定タイルなどはShizukuを別途用意する必要があります。

Q. Good Lockと完全に同じことができますか? できません。Good LockはSamsungの公式ツールとしてOne UIへ深く統合されており、Essentialsはその網羅性には届かないとAndroid Authorityも明言しています。あくまで「Pixelで使える、最も近い代替」という位置づけです。

出典