高校支給のiPad+GarageBand+安価なプラグインマイク——その組み合わせから生まれた楽曲が、累計1億ストリームを記録しました。 インディーシンガーソングライターのBrye(本名 Bryanna Noelle Sebring)が、ヒット曲「Lemons」の制作環境をTikTokで明かしたものです。高価な機材がなくともヒットを生み出せることを示すエピソードとして注目されています。
高校支給iPadとGarageBandから生まれた1億再生曲
ファンから「どうやって楽曲を制作しているのか」と問われたBryeは、TikTok動画で次のように説明しています。
信じてもらえるか分かりませんが、2020年の隔離期間中にバイラルとなった『Lemons』は、私の高校で配られたiPadのGarageBandで制作したものです。高校時代はGarageBandでビートを作ったり、学校のミュージカル用に楽曲を書いたりしていました。あの『Lemons』のデモも、ひどい外付けマイクで録音したんです。私に対してひどい態度をとった相手への当てつけで投稿したら、バイラル化してしまいました。Sirius XMラジオでオンエアされ得るような、1億回ストリーミングされ、グローバルのバイラルトップ50にチャートインした曲が、GarageBandだけで作られたなんて、おかしな話だと思いませんか?
Bryeは続けて、「派手な機材は必要ない」「これを仕事にするのに学位も要らない」「もちろん学ぶことやアップグレードは良いことだけれど、予算が限られているならGarageBandはどんなApple製デバイスでも十分に役立つ」と語っています。
Jobsが2004年に語った理念と完全一致
GarageBandは2004年にまずMac向けにリリースされ、2011年にiPad版が登場しました。Steve Jobsは2004年のローンチイベントで、GarageBandの位置づけを次のように語っていました。
GarageBandは誰のためのものでもあります。Macをプロクオリティの楽器でありレコーディングスタジオへと変える、1つのアプリです。ピアノを弾く子供がMacを持っていれば、GarageBandとヘッドフォン、USBキーボードを与えるだけで、寝室に5万ドルのグランドピアノがあるのと同じ環境を手にできるのです。
John Gruber氏も、AppleがGarageBandを世に送り出したのはまさにこうした体験を実現するためだったと指摘しています。高価な機材を揃えなくても、誰でも音楽を作って共有・アップロードできる環境を提供する——Bryeの事例は、Jobsが2004年(Mac版)および2011年(iPad版)のローンチ時に掲げた理念を、学校支給の端末という最も身近な形で体現したものといえます。
6年後、Bryeが選んだのはLogic Pro
Bryeは現在、6年が経ち、Logic Proを使い自宅にフル装備のホームスタジオを構えるまでに環境を進化させています。彼女の歩みを時系列で整理すると、次のようになります。
- 高校時代:学校支給のiPadでGarageBandを使い、ビート制作や学校ミュージカルの楽曲制作を経験
- 2020年:高校支給iPadのGarageBand+安価なプラグインマイクで「Lemons」のデモを制作・投稿 → バイラル化、累計1億ストリーム到達
- 現在(6年後):Logic Proとホームスタジオを使用した本格的な制作環境へ移行
ただしBrye本人は、「最初からそんな環境は必要ない」「ヒットを出すためにも必須ではない」と強調しています。スタート地点は、学校で配られた端末と安いマイクだけで十分だった——というのが彼女のメッセージです。
すでにiPad(あるいはMac/iPhone)を持っているなら、追加投資をする前に、まずは標準搭載のGarageBandでビートを刻み、声を吹き込み、1曲を完成させてみる。Bryeのキャリアは、その小さな一歩がどこまで広がり得るかを示す具体例といえます。
Q&A
Q. Bryeの「Lemons」はいつ・どんな環境で制作されたのですか? 2020年の隔離期間中に、Bryeが高校から支給されたiPadのGarageBandと安価な外付けマイクで制作されました。投稿後にバイラル化し、累計1億ストリームを記録しています。
Q. GarageBandはいつからiPadで使えるようになりましたか? GarageBandは2004年にMac向けにリリースされ、2011年にiPad版が登場しました。現在もApple製デバイスに標準で提供されています。
Q. 機材にお金をかけずに音楽制作を始めるには、まず何から触れば良いですか? Brye自身が語っているのは、「予算が限られているなら、どんなApple製デバイスでもGarageBandは十分に役立つ」ということです。手元のiPad・iPhone・Macに標準で入っているGarageBandから始め、必要に応じて安価な外付けマイクなどを足していくのが、Bryeが実際にたどった道筋に近いアプローチといえます。
