Bare Bonesが、macOS向けテキストエディタの定番BBEdit 16をリリースしました。grepパターン対応の画像内テキスト検索、SFTPファイル転送の1〜2桁(10〜100倍)高速化、Shortcuts統合の深化、ストリーミング対応のAIワークシートなど、長年のユーザーが待ち望んだ機能拡張が一挙に投入されています。価格は据え置きで、新規$60(約9,400円)からの提供です。
SFTP転送が1〜2桁高速化——裏側のパフォーマンス改善
BBEdit 16では、アプリ全体に大幅な最適化が施されました。とくに目を引くのがSFTPファイル転送で、従来比で1〜2桁(10〜100倍)の高速化を実現したとされています。リモートサーバー上の大量ファイルを日常的に扱う開発者にとっては、体感差が非常に大きい改善です。
アプリ本体も軽量化され、CPU負荷と消費電力の低減につながっています。Siegel氏は「これで世界が救われるわけではない。小さな取り組みだ。だが、より少ない労力でより良い結果を出すという考え方を、自分から率先して広めたい」と述べています。
画像内テキスト検索がgrep対応で実装
BBEdit 16のもう一つの目玉が、スクリーンショットや写真、その他の画像ファイル内のテキストを既存のマルチファイル検索インターフェースから直接探せる「画像内テキスト検索」です。たとえば、過去に撮ったスクリーンショットに写り込んだエラーメッセージや、設計資料のスクリーン画像に含まれる関数名を、テキストファイルと同じUIで横断検索するといった使い方が想定されます。
単純なキーワード一致だけでなくgrepパターンも使えるため、用語のバリエーション、特定のテキスト構造、繰り返される書式パターンなど、通常のキーワード検索では拾いきれない対象も検索対象に含められます。
Bare Bones創業者兼CEOのRich Siegel氏は9to5Macに対し、「これはまさにBBEditの精神そのもの。テキストがどこにあろうとも見つけ出す。そして画像は、その新しい場所にすぎない」と語っています。
Notebooks強化
Notebooks機能には、組み込みインデックスを使った高速なフィルタリングが追加されました。BBEditで大量のテキストやプロジェクトを管理するヘビーユーザーには嬉しい改善点です。さらにNotebooksとプロジェクトで個別のカラースキームを設定できるようになり、ワークスペースを一目で区別可能になりました。
Shortcuts深化とストリーミングAIワークシート
BBEdit 15から導入されたShortcuts連携は、システムのApp Intentsとの統合がさらに深化。テキストのソート、重複行の処理、パターン一致行の検索や削除、grepサポート付きのReplace AllといったBBEditのテキスト変換機能を、Shortcutsから直接呼び出せます。一部の操作はBBEditを表示状態にしておく必要すらありません。
LLM統合を使ったWorksheetsもストリーミングAPIに対応しました。これまではサーバーから完全なレスポンスが返ってから一括挿入される形でしたが、BBEdit 16ではデータが届いた時点から段階的に表示されます。利用可能なモデル一覧もAPI経由で取得して直接選択でき、手動でモデル名を入力・管理する手間もありません。
プライバシー配慮のローカルHTML検証も追加——絵文字・VIエミュレーションも刷新
HTML構文チェッカーはW3C APIによる検証に切り替えられた一方、外部サービスにHTMLを送信したくない場合のローカル実行オプションも用意されました。プライバシーや機密性を重視するユーザーにとっては大きな利点です。
複数のUnicodeコンポーネントで構成される複雑な絵文字の取り扱いも内部的に改善され、Character Inspectorでは選択中の文字のUnicode名も表示されます。Site toolsはテスト環境と本番環境のデプロイ先を分けて設定できるようになり、ステージングと公開先で設定を付け替える手間から解放されました。VIユーザー向けにはキーボードエミュレーションも追加されています。
価格と無料アップグレード条件
BBEdit 16の価格は従来リリースから据え置きです。新規ライセンスは$60(約9,400円)、BBEdit 15からのアップグレードは$30(約4,700円)、それ以前のバージョンからのアップグレードは$40(約6,300円)です。2025年11月1日以降にBBEdit 15のライセンスを購入したユーザーは無料アップグレードの対象となります。30日間フル機能で使える試用期間は新バージョンでリセットされ、機能制限付きのFree Modeも引き続き利用可能です。
長年BBEditを使ってきたユーザーであれば、画像内検索とShortcuts拡張だけでも乗り換える価値が十分にあるアップデートと言えそうです。
動作環境とリリース文脈——2年ぶりのフルバージョン更新
BBEdit 16はBare Bonesにとって久々の節目となるメジャー更新です。バージョン16は2年以上ぶりとなるフルバージョン更新で、劇的なパフォーマンス改善、App Intents経由のShortcuts対応強化、viキーバインド対応などを含みます。前バージョンのBBEdit 15が2024年1月に登場してから、長い熟成期間を経たアップデートと言えます。
動作要件と配布形態
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 必須OS | macOS 14.0以降 |
| 対応OS | macOS 26 "Tahoe"でも動作 |
| アーキテクチャ | Intel / Apple Silicon両対応のユニバーサルバイナリ |
| リリース日 | 2026年5月21日 |
macOS 14.0以降が必須で、macOS 26 "Tahoe"にも対応し、IntelおよびApple Silicon両対応のユニバーサル構成となっています。30日の評価期間中はすべての機能が利用でき、期間終了後もナグ画面や中断なしで無料で使い続けられます。試用と購入の境界が緩やかな設計は健在です。
開発者向けの細部強化——LSP意味トークンとbbdiff拡張
派手な新機能の陰で、コードを扱う開発者向けの地味な強化も多数盛り込まれています。Language Server Protocolの「semantic token coloring」機能を介した構文色付けが拡張され、LSP対応言語ではより文脈に即したシンタックスハイライトが期待できます。
コマンドラインdiffツールの強化も注目です。
- bbdiff(1)に
--compare-git-ignored-files(-G)オプションが追加され、Git無視ファイルとの比較に対応 --ignore-case(-i)オプションで大文字小文字を無視した比較が可能- ViewメニューにGather Untitled Documentsコマンドが追加され、未保存ドキュメントを現在のウィンドウに集約できる
AIワークシートのモデル選択UIも刷新され、設定およびワークシートのポップオーバーに「Other…」項目が追加されています。サービスがサポートしていればAPIから利用可能モデル一覧を取得し、検索可能なリストとして提示されます。標準でChatGPT、Claude、Ollama用のサービスモデルが含まれています。
Q&A
Q. 画像内テキスト検索はOCRと何が違うのですか? 最大の違いは、UIが既存のマルチファイル検索インターフェースと完全に統合されている点です。OCR専用ツールでは画像から文字を抽出してから別途検索する流れが一般的ですが、BBEdit 16ではテキストファイルと画像ファイルを同じ検索ダイアログから一括して扱えます。さらにgrepパターンにも対応しており、テキストと同じ表現力で画像内の文字列を絞り込める点も独自の体験です。
Q. BBEdit 15ユーザーは無料アップグレードできますか? 2025年11月1日以降にBBEdit 15のライセンスを購入したユーザーは、無料でBBEdit 16にアップグレード可能です。それ以前からのBBEdit 15ユーザーは$30(約4,700円)でのアップグレードとなります。
Q. 試用版はありますか? 30日間フル機能で使える試用期間が用意されており、BBEdit 16リリースに伴いリセットされます。試用期間後も、機能を絞ったFree Modeで継続利用できます。
出典
- 9to5Mac — BBEdit 16 out now with in-image text search, deeper Shortcuts integration, notebook filtering, more
- Bare Bones Software — BBEdit 16.0 Release Notes
- Bare Bones Software — Download BBEdit 16
