画面をくるりと回すと物理ボタンが現れる——そんな風変わりなAndroidゲーム機が、$90(約1万4,000円)以下で手に入る時代になりました。中国のレトロゲーム機メーカーANBERNICが、画面を回転させるスライド式のAndroidハンドヘルド「RG Rotate」を自社サイトで発売しています。Android Authorityによれば、$90を下回る価格設定で提供されているとのことです。

「Motorola Flipout」を思い出させる画面回転スライダー

RG Rotateはしばらく前からティーザーが公開されていた製品で、画面を回転させると下から物理コントロールが現れる、かつてのMotorola Flipoutを想起させる風変わりなフォームファクターを採用しています。

画面下に隠れているのは、D-pad、4つのフェイスボタン、start・selectキー、home/backボタンです。残念ながらアナログスティックは搭載されていません。本体背面には4つのショルダーボタンが備わっています。

同梱品としてANBERNICは、スクリーンプロテクター・ストラップ・USB-Cケーブル、そして大型のL2/R2ショルダーボタンが付属することを認めています。後者は標準のフラットなL2/R2キーが使いにくい場合に交換できますが、取り付けには背面パネルを外してスピーカーを外す必要があります。

カラーバリエーションと素材

ANBERNIC公式サイトでは、カラーバリエーションが用意されており、素材に違いがあります。Polar Blackは主にプラスチック素材、Aurora Silverはアルミニウム素材が採用されているとされ、質感や手触りに差が出ると考えられます。

軽さや扱いやすさを優先するならプラスチックモデル、質感や所有感を重視するならアルミモデルという選び方になりそうです。詳細な重量・価格差については出典元を参照してください。

スペックと性能の見立て

RG Rotateは価格相応のバジェット帯のハンドヘルドとして位置付けられています。Android Authorityは、このプロセッサについてPS2やGameCubeのほとんどのタイトルはおそらく動かないだろう、との見方を示しています。一方で、ANBERNIC RG DSと比較すれば一段上の性能だとも触れています。

軽量なエミュレーションと小型・低解像度の画面の組み合わせであれば、まずまずの稼働時間が期待できるとされています。詳細なスペック(チップセット・RAM・ストレージ・ディスプレイ解像度・バッテリー容量・充電仕様等)については出典元の記事をご確認ください。

購入判断のポイント

価格を見ればわかる通り、これは「メインで使うAndroidゲーム機」ではなく、「ギミックを楽しむためのサブ機」として捉える製品です。画面回転スライダーという独特なフォームファクターに魅力を感じ、軽めのレトロエミュレーションを想定しているなら、$90以下という価格は十分に検討に値します。

一方で、アナログスティックがない、チップ性能もミドル下位という制約があるため、本格的なゲーミング用途を考えているなら他のハンドヘルドを選んだほうが満足度は高いはずです。

公表された詳細スペックとAI機能

公式サイトで明らかになった主要スペックは次の通りです。

項目内容
チップUnisoc Tiger T618 64-bit octa-core(2×A75@2.0GHz+6×A55@2.0GHz)、GPUはMali G52@850MHz
メモリ/ストレージ3GB+32GB eMCP、OSはAndroid 12
ディスプレイ3.5インチIPS フルラミネーション、解像度720×720
バッテリー2000mAhリチウムポリマー、稼働時間5時間
寸法・重量80×80×21mm、Aurora Silver 0.204kg/Polar Black 0.167kg
拡張TFカード最大2TB、6軸ジャイロ内蔵、USB-C DACで3.5mmヘッドホン出力に対応

ヘッドホンジャックは非搭載で、3.5mmジャックを欠くためUSB-CまたはBluetoothヘッドホンを使う必要があります。さらに本機は単なるゲーム機ではなく、ワンクリックのゲーム攻略検索、リアルタイム翻訳、知的対話、テキストから画像生成、画像処理などのAI機能を備えている点も特徴です。

ANBERNICラインナップの中での位置付け

RG Rotateは、同社のラインナップにおいてユニークな立ち位置を占めています。

兄弟機種との関係

大きなポイントは、RG RotateがRG Vitaと同じUnisoc Tiger T618チップを採用していることです。性能面では、RG35XX SPとRG Cubeの中間にあたるエミュレーション性能で、Retroid Pocket Flipのようなミドル帯機と競合するとされています。スライド機構自体は新しい試みではなく、前年のRG Slideに続く、スライド式ディスプレイ機構を備えた2機種目にあたります。内蔵のホールセンサーにより、スライドを開くと画面が自動で起動する仕様も継承されています。

周辺機種の動向

発売直前の2026年5月、ANBERNICは別機種にも動きを見せています。新色Metallic Blueとして登場したRG34XX SPは1GB RAMにダウングレードされた一方、480pディスプレイ、Allwinner H700チップ、3,300mAhバッテリーという構成は維持されています。価格は64GB microSD付きで$67.99からと、より低価格帯の選択肢として併存しています。

Q&A

Q. 日本から購入できますか? ANBERNICは公式サイトから販売しています。なお、中国メーカー製のAndroid系ハンドヘルドは日本の技適マークがない可能性が高く、国内での電波利用はグレーゾーンとなります。関税・送料・国内利用条件を含め、購入前に確認することをおすすめします。

Q. どのくらいのゲームが動きますか? PS2やGameCubeについては、Android Authorityがほとんどのタイトルはおそらく動かないだろうとの見方を示しています。一方でANBERNIC RG DSと比べれば一段上の性能だとも触れており、より軽量な世代のエミュレーションが現実的な用途と読めます。

Q. アナログスティックは付いていますか? 付いていません。物理コントロールはD-pad、4つのフェイスボタン、start/selectキー、home/backボタンと、背面の4つのショルダーボタンのみです。3Dゲーム中心の用途には向かない構成です。

出典