WHOOPのフィットネストラッカーは、ハードを購入したあとも継続的なサブスクリプション契約がなければ十分に機能しない設計の製品として知られています。その「払い続けないと動かない」前提に対して、初めて反撃の芽となり得るオープンソースプロジェクト「Goose」が登場しました。Android Authorityが2026年6月2日付で報じています。
オープンソースアプリ「Goose」とは
Gooseは、WHOOPのフィットネストラッカーが計測したデータに、サブスクなしでアクセスすることを目指して立ち上がったオープンソースプロジェクトだと伝えられています。開発者がWHOOPトラッカーからデータを取り出すための仕組みを構築しており、その進捗が共有されていると報じられています。
現在のところできることはごく基礎的で、ウェアラブルからデータを取り出して表示する、という最低限の動作にとどまります。それでも「動く」という事実そのものが重要で、WHOOPの公式アプリ+サブスクという閉じたエコシステムの外側にも、データを引き出すルートが存在し得ることを示しました。
制約だらけの「Pre-Alpha」段階
注意すべきは、Gooseは現時点では概念実証に近い超初期段階だということです。Android Authorityのheadline/descriptionでも「日常利用にはまだ程遠い」と明言されており、WHOOPサブスクの代替として実用に供する段階ではないとされています。開発者自身も、サブスクの代替を意図したものではないという趣旨の注意を添えていると報じられています。
つまり、今この瞬間に「サブスクをやめてGooseに乗り換える」という選択肢は存在しません。あくまで「将来そうなり得る可能性が見えてきた」というレベルの話と捉えるのが現実的です。対応モデルやプラットフォームなどの詳細仕様、動作上の制約については、現時点で公表されている範囲を超える具体情報は明らかにされていない点もあり、続報を待つ必要があります。
有料サブスクの出口になり得るか
WHOOPは、デバイス本体を入手したあとも継続的な課金が前提となる設計で知られており、長く使うほどランニングコストが積み上がりやすいモデルです。ヘビーユーザーほど長期コストが膨らみがちで、サブスクなしで自分のバイタルデータにアクセスできる手段が現実味を帯びれば、ランニングコストを大幅に削減できる可能性が見えてきます。
今回のGooseは、まさにその「出口」の方向を指し示すプロジェクトです。ただし、Android Authorityが報じているとおり、現状は日常利用には程遠い段階で、サブスク代替として位置付けられるところまでは到達していません。「ハードよりサービス課金で稼ぐ」設計の製品に対する、ユーザーコミュニティ側からの動きの一例として捉えるのが妥当です。
今すぐ乗り換えるべきか — 答えはNo
Gooseは「面白い動きが始まった」という段階で、実用ツールとして当てにできる代物ではありません。WHOOPユーザーであっても、サブスクをすぐに解約してGooseに切り替える、という判断は時期尚早です。初期プロジェクト系の話題として、現時点では続報と対応機種・対応OSの拡大を待つのが現実的です。サブスク継続コストを重く感じているWHOOPユーザーは、進捗の続報を定期的にチェックしておくと、将来の乗り換えタイミングを逃しにくくなります。
WHOOPサブスクの料金構造と2025年のアップグレード騒動
WHOOPのメンバーシップは、2026年時点で以下の3階層で展開されており、ハードウェアは前払いなしでサブスクリプションに同梱される設計です。
| プラン | 年額 | 主な位置付け |
|---|---|---|
| WHOOP One | 199ドル | 基本のリカバリー・睡眠計測 |
| WHOOP Peak | 239ドル | 長寿命関連メトリクスを追加 |
| WHOOP Life | 359ドル | ECGや血圧推定など医療グレード機能 |
2025年5月のWHOOP 5.0/MG発表時には、既存メンバーから49ドル(ECG搭載モデルは79ドル)のアップグレード料金を徴収する方針が示され、過去に掲げていた「メンバー歴6ヶ月以上であれば無料アップグレード」という約束との矛盾としてTechCrunchやBoston Globeが大規模な反発を報じています。WHOOPはその後、残期間12ヶ月超のメンバーには無料アップグレードを自動適用し、誤って支払った人には返金する対応へと方針を一部撤回したとされています。
サブスク不要のオープンソース系ウェアラブル選択肢
WHOOP外でも、課金を前提としないコミュニティ主導のプロジェクトが広がっています。代表的なものは以下のとおりです。
- PineTime: PINE64が手がけるオープンソースのスマートウォッチで、ユーザーが構築したオープンOSを載せて動かせる点が特徴とされています。
- OpenHAK(Open Source Health Activity Kit): ハッキング・改造を前提に設計されたオープンソースのフィットネストラッカーで、購入直後から歩数と心拍数の計測に対応すると説明されています。
- wger: セルフホスト可能なFLOSSアプリで、ワークアウト記録と栄養管理を一体で扱い、バーコードスキャンでマクロ栄養素を取得して入力できる仕組みも備えています。
- SparkyFitness: 同じくセルフホスト型のオープンソースプロジェクトで、MyFitnessPalの有料機能に相当する内容をサブスクなしで提供することを目指しています。
ハード側のPineTimeやOpenHAK、ソフト側のwgerやSparkyFitnessなど、層ごとに「課金しない」選択肢が積み上がりつつあるという市場文脈が見えてきます。
Q&A
Q. Gooseは今すぐWHOOPのサブスクの代わりに使えますか? 使えません。現時点ではPre-Alphaに相当する概念実証段階で、データを取り出して表示する基本動作にとどまるとされています。日常利用にはまだ程遠いと報じられており、サブスク代替として当てにできる段階ではありません。
Q. どのWHOOPモデル・どのスマホで動きますか? 対応モデルや対応プラットフォームの具体的な仕様は、現時点で公表されている情報の範囲では明らかにされていません。詳細は出典元を参照してください。
Q. 開発者は誰で、進捗はどこで追えますか? 開発者の氏名や進捗の公開先などの詳細は、現時点で公表されている範囲を超える具体情報は明らかにされていません。続報や公式の発表を待つのが確実です。
出典
- Android Authority — Open source app could finally free WHOOP users from expensive subscriptions
- TechCrunch — Fitness tracker Whoop faces unhappy customers over upgrade policy
- Android Police — These 5 open source fitness apps are perfect for Android users
