NVIDIAのフラッグシップGPU「RTX 5090」は単体の市場価格が$4,000(約62万円)前後に達しています。そんな中、HPの「Omen 45L」がRTX 5090搭載構成で$800オフのセール対象となり、GPU単体価格とほぼ同等でPC一式が買える計算になっています。
RTX 5090単体とほぼ同価格でフルセットが手に入る
HP公式ストアでの販売価格は、通常$4,759.99のところ$800(17%)引きの$3,959.99(約61万円)です。GPU単体の市場価格に近い金額で、CPU・メモリ・ストレージ・電源・水冷クーラーまで含んだ完成済みデスクトップが揃うため、Tom's Hardwareはシステムの残り構成が実質ボーナスのように感じられると評しています。
主な構成は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 5090 |
| CPU | Intel Core Ultra 7 265K(20コア20スレッド) |
| メモリ | Kingston Fury DDR5-6000 16GB(デュアルチャネル・RGB) |
| ストレージ | 1TB SSD |
| 電源 | 1200W 80 Plus Gold |
| 冷却 | 360mm AIO水冷(Cryo Chamber搭載) |
| 無線 | Wi-Fi 6 / Bluetooth 5.3(+$5でWi-Fi 6Eに変更可) |
なお、RTX 5090を構成に追加すると1200W電源が自動的に選択される仕様になっています。フラッグシップGPUにはやや余裕のある容量ですが、将来のアップグレードを見据えた余力として機能します。
360mm水冷と独立「Cryo Chamber」の冷却設計
Omen 45Lの特徴のひとつが、ケース上部にラジエーターを隔離配置した独自の「Cryo Chamber」構造です。HPによれば、この設計により同等負荷の競合製品と比較してCPU温度を追加で7〜7.5℃下げられるとしています。あくまでHP自社の主張ですが、RTX 5090とCore Ultra 7 265Kという発熱の大きい構成において、ケース内のエアフローと水冷の分離は理にかなった設計と言えます。
メモリ16GBは妥協点——現在のDRAM価格高騰が背景
注意点として、標準構成のメモリは16GBにとどまります。現行ハイエンドゲーミング用途であれば32GB以上が推奨ラインですが、Tom's Hardwareは、メモリ価格が高騰している現状を踏まえると総額を抑えるための妥当な妥協だと位置づけています。後からのメモリ増設は比較的容易なため、まずはこの構成で導入し、価格が落ち着いたタイミングで32GB以上に拡張するという選択肢も現実的です。
充実したI/O構成
I/Oも充実しており、フロントにはUSB Type-A 5Gbps×2、USB 2.0 Type-A×2、ヘッドホン/マイク端子を搭載。リアにはUSB 2.0 Type-A×4、USB Type-C 10Gbps、USB Type-A 5Gbps×2、Thunderbolt 4(USB Type-C 40Gbps)、Ethernet、オーディオ端子が並びます。フラッグシップGPUに見合った将来性のある接続性が確保されています。
GPU単体を買うべきか、PCごと買うべきか
$3,959.99(約61万円)は決して安価ではありませんが、RTX 5090を単体で確保しようとすれば現状ほぼ同額が必要であり、そこにCore Ultra 7 265K・360mm水冷・1200W電源・Thunderbolt 4を含むI/Oが加わると考えれば、価格設定の合理性は明確です。RTX 5090をどうしても手に入れたいユーザーにとっては、GPU単体購入よりも合理的な選択肢になり得ます。一方で、メモリ16GBという構成は購入後の増設を前提に判断するのが良いでしょう。なお、このセールはHP米国オンラインストアでの価格であり、日本向けの同等セールについては公表されていません。
2026年のRTX 5090市場価格——AIB版は$3,000〜$5,000のレンジへ
RTX 5090は2025年初頭の発売時、MSRPが$1,999に設定されていましたが、2026年に入って価格は大きく上振れしています。2026年5月時点でNVIDIA GeForce RTX 5090のeBay最安平均価格は$3,658に達し、過去4ヶ月で32.3%上昇しました。
AIB各社の価格帯と今後の見通し
ASUSやMSIといった複数のAIBパートナーは、カスタムGeForce RTX 5090カードの価格を$3,000〜$3,500超に引き上げたと報じられています。さらに業界関係者は、NVIDIAのフラッグシップGeForce RTX 5090が2026年後半には$5,000まで上昇する可能性があると見ています。値上げは継続的な流れにあり、AMDは2026年1月、NVIDIAは2月から価格引き上げを開始し、両社は以降も毎月GPU価格を引き上げる可能性があると指摘されています。MSRPに近い水準のFounders Editionも存在しますが、入荷後数分で完売してしまい、供給は限定的な状況です。こうした状況を踏まえると、Omen 45LセールにおけるRTX 5090込みでの$3,959.99という価格設定が市場文脈の中で持つ意味は大きいと言えます。
メモリ価格高騰の構造的背景——AI需要がDRAMを呑み込む2026年
元記事で言及された「DRAM価格高騰」は、業界全体を揺るがす構造的供給危機の一部です。価格上昇のスケールは過去のサイクルと比較しても突出しています。
| 指標 | 数値 | 出典時期 |
|---|---|---|
| 16GB DDR5チップ単価 | $6.84 → $27.20(約298%上昇) | 2025年9月→12月 |
| 消費者向けRAM価格四半期比上昇率 | 80〜90% | Q4 2025→Q1 2026 |
| 2026年のAIによるDRAM消費シェア | 約20% | 2026年予測 |
2025年9月に約$6.84で取引されていた16GB DDR5チップは、12月末には$27.20まで急騰し、わずか3ヶ月で約298%の価格上昇となりました。Counterpoint Researchは、Q4 2025からQ1 2026にかけてメモリ価格がほとんどのセグメントで前四半期比80〜90%上昇したと確認しています。背景にあるのはAIインフラの急拡大で、AIは2026年にDRAM総生産の20%を消費する見込みで、AIの構築規模拡大に伴いこの数字はさらに増加する可能性があります。IDCは2026年のDRAMおよびNAND供給成長を、歴史平均を下回る前年比それぞれ16%、17%と予測しています。Omen 45Lが標準16GB構成を採るのは、この市場環境を反映したコスト調整と読み解けます。
Q&A
Q. RTX 5090搭載PCの中で、なぜHP Omen 45Lが特に注目されるのですか? $800オフの実勢価格がRTX 5090単体の市場価格にほぼ並ぶ点に加え、1200W 80 Plus Gold電源・360mm AIO水冷とCryo Chamberによる冷却設計・Thunderbolt 4を含む拡張I/Oといった、ハイエンドGPUを長く活かしやすい土台が揃っているためです。プリビルトながらアップグレード余地を残している点が、Tom's Hardwareが取り上げた理由の中心になっています。
Q. 標準のメモリ16GBで足りますか? RTX 5090クラスのGPUを活かす用途であれば32GB以上が推奨されますが、現在DRAM価格が高騰しているため、まず16GBで導入し後から増設する選択肢も現実的です。
Q. 日本でも同じ価格で買えますか? 今回のセールはHP米国オンラインストアでの価格です。日本市場での同等構成・同等割引の提供状況は公表されていません。
